2020 Fiscal Year Research-status Report
覚醒時ブラキシズムが睡眠時無呼吸症候群の発症にかかわるメカニズムの解明
Project/Area Number |
19K10224
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川上 滋央 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (60708072)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 聖也 岡山大学, 大学病院, 医員 (10825889)
萬田 陽介 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60794477)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 筋電図 / 筋疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
頸部表面筋電図による舌骨舌筋の筋疲労評価の検討 表面筋電図において筋疲労解析に用いられるのは主に周波数解析であるが,相対的評価にしか用いることができないという欠点がある。そこで,筋疲労時に発生すると報告されている生理的振戦を伴う群化放電に注目し,舌骨舌筋の筋疲労検出に用いることができるか検討を行った。舌後方部の反復挙上運動によって疲労を誘発した際に,頸部表面筋電図記録において舌側舌筋の筋疲労が計測できるか検証した。疲労タスクは最大随意収縮3秒間×3回・等尺性の舌後方部反復挙上運動2分間(34回)・MVC3秒間×3回で構成されるセットを3セットとした。反復挙上運動については最大随意収縮の80%以上の力で行うよう指示した。被験者の舌の疲労度の評価として100mmのVAS評価を用いた。結果はVAS評価値はタスク実施前よりも有意に増加した。群化放電は大部分の被験者で筋疲労の進行に伴い増加していくことが確認できた。 次の段階として,持続的な咬合接触が舌骨舌筋の筋疲労を生じさせるか検討するために,弱く持続的な咬合接触が頸部表面筋電図に及ぼす影響について検討した。疲労タスクは最大随意噛みしめの10%相当の咬合力を1時間持続した咬合接触状態とした。結果は,この条件では弱く持続的な咬合接触により頸部表面筋電図に群化放電の有意な増加は認められなかった。そのため,持続時間の延長および咬合力を変更して計測を行い,持続的な咬合接触が舌骨舌筋の筋疲労を生じさせるか検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通りに結果が得られなかったため,計画書に記載した「当初の計画通り進まなかった場合の対応」に基づき追加実験を行なっている。そのため,やや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
持続的な咬合接触が舌骨舌筋の筋疲労に与える影響についての評価は疲労タスクの変更により検討する。この対応でも思うような結果が得られない場合は,筋電図振幅計測による筋活動量での評価に切り替えて実験を進めていく。
|
Causes of Carryover |
当該年度に実施予定であった睡眠時無呼吸の計測を翌年度に実施することになったため,次年度使用額が生じた。 使用計画としては次年度の睡眠時無呼吸の計測に使用する物品費に充当する。
|