2023 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical research on improvement effect of chewing function with periodontal treatment.
Project/Area Number |
19K10230
|
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
辰巳 順一 朝日大学, 歯学部, 教授 (60227105)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
申 基てつ 明海大学, 歯学部, 教授 (40187555)
林 丈一朗 明海大学, 歯学部, 教授 (50337507)
大塚 秀春 明海大学, 歯学部, 助教 (10271230)
鈴木 允文 明海大学, 歯学部, 助教 (60638518) [Withdrawn]
林 鋼兵 明海大学, 歯学部, 助教 (90777880)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 慢性歯周炎 / 咀嚼機能 / QOL / 歯槽骨吸収率 / GOHAI |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病の重症化および咀嚼機能障害は,全身の健康に影響を及ぼすことが一般的に知られている.しかし,両者の関連性についての報告は少ないのが現状である.そこで本研究は,歯周炎患者の咀嚼能力を客観的に評価し,咀嚼能力に影響を与える要因を明らかにすることを目的とした.被験者は 95 人で,慢性歯周炎患者群 68 人と,歯周組織が健全な者 27 人を対照群とした.さらに慢性歯周炎患者は,歯周病重症度別にステージⅠ群は 17 人,ステージⅡ群は 23 人,ステージⅢ群は 14 人,ステージⅣ群は 14人と分類した.グルコース分析装置により算出されたグルコース溶出量を,咀嚼能力値として換算した.その結果,患者群の咀嚼能力は対照群と比較して有意に低く,歯周病が重度であるほど,咀嚼能力値が低下する傾向が示唆された.さらに,咀嚼能力は歯槽骨吸収率の増加に伴い低下することが示された.以上のことから,本研究により歯周病重症度,歯槽骨吸収率が咀嚼能力に影響することが明らかとなった.さらに、進行した歯周疾患患者に対し、歯周治療と咬合機能回復処置を行うことで、咀嚼機能がどの程度回復できるかを検討した。その結果、限られた患者数から統計学的検討は困難な状況であるが、進行した歯周疾患患者であっても歯周治療後の機能回復処置によって、咬合力で最大5倍程度の回復を診る症例があることが明らかとなり、また咀嚼機能が回復した患者ほど治療に対し積極的な参加、あるいは治療後のメインテナンスに理解を示す傾向がみられた。本研究期間を過ぎてもさらに調査対象の患者について継続的に調査し、統計学的有意差が認められるか検討したい。
|