2019 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼解析ウェアラブルデバイスは万歩計と同様に健康を維持増進するか?
Project/Area Number |
19K10231
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
中島 一憲 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (80317916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 克明 東京歯科大学, 歯学部, レジデント (10801574)
武田 友孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20236475)
西野 仁泰 東京歯科大学, 歯学部, レジデント (30822449)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 咀嚼回数 / ウェアラブルデバイス / 健康増進 / リアルタイム / 咀嚼解析 / ロコモティブシンドローム / サルコペニア / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
健康を維持・増進させるための3本の柱として「①適度な運動をすること」,「②適切に栄養摂取すること」,「③十分な休養をとること」が挙げられ,特に運動に関しては,高齢者の健康の維持増進に欠くことができない。高齢者に適した,または必要な運動としては,自荷重によるレジスタンストレーニングと歩行による有酸素運動がある。歩行に関しては,その多寡が健康に強く関与するとして,日常における活動を計測する活動量計や万歩計が広く普及しているのが現状である。また,超高齢化社会を迎えた我が国において,食習慣・食生活の改善が全身の健康状態に及ぼす影響が注目されている。咀嚼機能の低下は,エネルギーやタンパク質が欠乏し低栄養となることが懸念される。低栄養状態の長期化は,免疫力,筋力,体力,認知機能の低下,骨量の減少などを起こし,ロコモティブシンドローム,サルコペニア,フレイル,認知障害など様々な障害,疾病に繋がる。そのため,良好な食習慣,食生活を回復,普及することは今後の我が国の高齢化社会において,必要不可欠と思われる。 現在申請者らは,咀嚼解析ウェアラブルデバイスの開発を行っている。これは感圧センサーとブルートゥースモジュールおよびバッテリーを装備し小型軽量に設計したもので,スマートフォンと無線接続し日常生活のあらゆる咀嚼運動をリアルタイムに計測・解析・記録することを目指したものである。本装置が基本食品に関して十分な精度をもって計測できることを報告してきた。 本研究課題では,高齢者に対して本機器を応用し,食事や間食など日常生活におけるすべての咀嚼回数を計測することにより,食習慣が全身の健康状態に対していかなる影響を及ぼすかを検討・立証し,健康幸福長寿社会へ食生活の改善という観点からアプローチして行きたい。本研究の結果は,今後の歯科医学の発展ならびに国民の健康の維持増進へ繋がるものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
椅子に座った状態での咀嚼解析に関しては十分な精度をもって分析可能であったが,咀嚼運動自体は運動中のガム咀嚼などに代表されるように体動の影響を考慮する必要がある。また,会話などによって咀嚼筋は表情筋が収縮し,純粋な咀嚼回数の測定結果に誤差が生じることとなる。 検証の結果,ウォーキング,ジョギングなどの運動中に関する咀嚼解析の精度が十分でなかったため,センサー部の調整,アルゴリズムの改善を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
体動や会話による誤差の影響が極力起こらないようにセンサー部やアルゴリズムの調整を調整し,できるだけ早期に残った測定を再開するよう努める。 また,被研食品に関しては,ゼリーのような柔らかい素材や,ラーメンのような熱い食品において実際の目視や筋活動との誤差がみられるため,どのような配慮が必要か検討する。
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Causes of Carryover |
理由: 論文英文校正および論文掲載料の支払予定があり,研究費を確保しておく必要があるため。また,咀嚼解析ウェアラブルデバイスのセンサー部やアルゴリズムの改変に係る費用が確定していないため,その支払い分に対する予備費として次年度使用額を残すかたちとした。 使用計画: 現在進行中の研究成果の発表に関して英文校正,学会参加費,ポスター作製などにも使用する予定である。
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