睡眠時ブラキシズムに影響する測定環境要因の解明－真のブラキシズム発現数を求めて

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K10238
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 三上 紗季 北海道大学, 大学病院, 助教 (70704477)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 後藤田 章人 北海道大学, 大学病院, 講師 (70466465) ; 山口 泰彦 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (90200617)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: ブラキシズム / 睡眠 / ＰＳＧ / ウェアラブル筋電計

Outline of Annual Research Achievements

ブラキシズムは，歯ぎしりやくいしばりに特徴づけられる反復的な顎筋の活動であり，睡眠時ブラキシズムの客観的な診断法としては，咀嚼筋の筋電図検査があるが，睡眠研究室で行われる宿泊検査では，慣れない測定環境や複雑なセンサ装着等の影響で，普段のブラキシズムの発現状態とは異なる結果となる可能性がある．本研究では，睡眠研究室での宿泊検査とウェアラブル筋電計を用いた自宅検査でのブラキシズム発現頻度の関係性を明らかにし，また，検査時の測定環境や計測機器条件の違いによるブラキシズムの発現頻度や睡眠状態の解析を行うことにより，ブラキシズム活動に影響を与える要因を検証することを目的とするものである．
2019年度では，測定手技の確立，解析法の検討，予備測定を行った.
睡眠研究室での測定は，既存の睡眠ポリグラフ検査装置(Alice6)を使用し，被験者を用いて予備測定を行った．脳波や筋電図等の各種センサの貼付等の測定手技を確認し，咬筋筋活動，脳波の記録，解析が可能である事を確認した．自宅検査で用いるウェアラブル筋電計（wEMG），簡易睡眠判定装置(motionwatch8)，簡易睡眠脳波検査装置（スリーププロファイラー２）を新規購入し，予備測定を行った．自宅検査では被験者自身でこれらの機器設定を行う必要があるため，測定がスムーズに行えるような操作マニュアルの作成を行った．自宅でのウェアラブル検査で，咬筋筋活動解析，睡眠覚醒判定，脳波記録による睡眠深度解析が可能である事を確認した．また，筋活動波形と，睡眠判定の個別データの同期解析が可能となるような測定，解析手法を確立した．睡眠時ブラキシズムの臨床的診断基準を満たす被験者の募集を行った．2019年度内にデータ収集のための本測定を予定していたが，コロナウィルスの流行に伴い，睡眠研究室内での感染リスクを考慮し，測定を延期とした．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

睡眠研究室での睡眠ポリグラフ検査，自宅でのウェアラブル検査での筋電計や睡眠判定機器の測定手技の確立と解析方法の検討に関しては順調に行った．
データ収集に関しては，本測定のための被験者の募集を行ったものの，新型コロナウィルスの感染リスクを考慮し，2019年度に予定していた宿泊検査を延期としたため，進捗状況はやや遅れている状態である．

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウィルス流行が収束した後，2019年度に予定していた測定を含めたデータ収集を行う予定である．

Causes of Carryover

簡易睡眠脳波検査装置の購入価格が予定していた110,000円より安価であった．また，2019年度に予定していたデータ収集のための被験者への謝金分が使用されなかったため，次年度使用額が生じた．
次年度は，2019年度に予定していた分のデータ収集も行う予定であるため，被験者の謝金として使用する予定である．