睡眠時ブラキシズムに影響する測定環境要因の解明－真のブラキシズム発現数を求めて

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K10238
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 三上 紗季 北海道大学, 大学病院, 助教 (70704477)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 後藤田 章人 北海道大学, 大学病院, 講師 (70466465) ; 山口 泰彦 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (90200617)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: ブラキシズム / 睡眠 / 筋電図 / PSG / ウェアラブル筋電計 / 咬筋

Outline of Annual Research Achievements

ブラキシズムは，歯ぎしりやくいしばりに特徴づけられる反復的な顎筋の活動であり，睡眠時ブラキシズムの客観的な診断法としては，咀嚼筋の筋電図検査があるが，睡眠研究室で行われる宿泊検査では，慣れない測定環境や複雑なセンサ装着等の影響で，普段のブラキシズムの発現状態とは異なる結果となる可能性がある．本研究では，睡眠研究室での宿泊検査とウェアラブル筋電計を用いた自宅検査でのブラキシズム発現頻度の関係性を明らかにし，また，検査時の測定環境や計測機器条件の違いによるブラキシズムの発現頻度や睡眠状態の解析を行うことにより，ブラキシズム活動に影響を与える要因を検証することを目的とするものである．
2020年度では，2019年度に行った予備測定を踏まえて、データ収集のための本測定を予定していた. しかし，コロナウィルスの流行に伴い、睡眠研究室での宿泊検査はしばらく延期すべきと判断したため，被験者を用いた本測定はしばらく中止とした。コロナウィルスが終息しない状況が続いたため，感染対策を行いながら本測定を行う方法を検討した後，被験者を用いて睡眠研究室での測定3日間，自宅での測定3日間，計6日間の一連のデータ収集を実施した．これまで睡眠研究室での測定では，自宅でのウェアラブル筋電計による測定と比較しブラキシズムの発現頻度が少なくなる傾向があったが，今回も同様の傾向がみとめられた．2021年度は被験者の測定人数を増やし，測定環境や計測機器条件などの要因とブラキシズムの発現頻度の関連について検討を加える予定である．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

測定手技の確立，予備測定は順調に行われ，本測定のデータ収集も開始しているところではあるが，2020年度は新型コロナウィルスの感染リスクを考慮し，睡眠研究室での宿泊検査を延期としていたため，当初予定していた人数のデータ収集ができておらず進捗状況はやや遅れている状態である．

Strategy for Future Research Activity

2021年度は，これまで確立した測定手技を用いてデータ収集が可能であるので，新たに被験者募集を行い，データ収集と解析を進めていく予定である．

Causes of Carryover

2020年度に予定していた人数の被験者を用いた測定ができなかったため，謝金として計上していた分の使用額が少なかった．また，コロナウィルスの影響により旅費の計上がなかった．
2021度は，2020年度に行えなかった被験者を用いたデータ収集を行う予定であるため，当初の予定より被験者謝金の使用額が増える予定である．また，2021年度はデータ収集と並行してデータ解析も進めていく必要があるため，データ解析が迅速に行えるような解析環境を整える予定である．