2019 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者に対する歯科診療の効果の検証と合理的な治療方針への基盤構築
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19K10245
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石田 健 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (90808833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 一徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (40379110)
池邉 一典 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70273696)
和田 誠大 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (20452451)
阿部 舞美 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80824721)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 要介護高齢者 / 歯科介入 / 口腔機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
要介護高齢者の心身の状態や社会環境は多様で,身体的または社会経済的な理由により十分な歯科治療を行うことが困難な場合が多い.特に訪問診療の場合,環境や機材による制約も多く,診療室で行うような画一的な治療方針では対応不可能で,患者の状態や生活状況に応じた個別化医療が必要である.しかし,効果的な治療と管理の計画の立案は容易でない.本研究では,様々な状態の要介護高齢者に対して,それぞれどのような歯科介入がより効果的であるかを明らかにする.対象は長野県某地域の後期高齢者全員約1300名とし,要介護高齢者に対する歯科診療,特に訪問診療が,口腔機能の向上や維持,栄養状態,さらにサルコぺニアやフレイル,認知機能や要介護度に及ぼす影響を5年間の後ろ向き縦断研究で検証する.そして,どの様な患者にどの様な歯科治療と管理が有効か,時間対効果,費用対効果も含めて明らかにし,個別化医療の治療の指針を模索する.医療や介護のデータの収集には,「地域医療介護連携支援システム」のデータベースを利用し,膨大なデータの複雑な相互関係等の解析は,医療情報の研究者と共同で,ビッグデータに有効な人工知能技術を応用する. 本年度は、本研究に対する倫理委員会の申請・承認を得たうえで、長野県阿南町地域住民の口腔機能の向上や維持,栄養状態,さらにサルコぺニアやフレイル,認知機能や要介護度に及ぼす影響を5年間の後ろ向き縦断研究におけるベースラインデータの収集を行い,今後の分析基盤を構築した.今後さらにデータ収集を続けると同時に,外来ならびに訪問診療所において,フォローアップ調査を開始し,比較検討を行っていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
JAみなみ信州阿南歯科診療所が過去5年間に訪問した,施設や居宅で生活している要支援・要介護高齢者を対象に、後ろ向き調査を予定していたが、おおよそのベースライン時のデータ収集が終了している。また前向き縦断調査についても、おおむね進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度以降も、後ろ向き調査については、5年経過した患者に対して、口腔機能検査ならびに栄養摂取調査を進めていく予定である。また合わせて前向き調査に関しても、継続して調査を行っていく。これらのデータをもとに、令和3年度に統計分析を予定通り進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
調査時に必要としていた物品費(検診用ミラー、検査用グミゼリー、舌圧プローブならびにプレスケールシート)が、予定していた人数より若干名少なかったことが影響している。そのため、次年度の検査、調査時に使用する物品費に使用する予定である。
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