2021 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者に対する歯科診療の効果の検証と合理的な治療方針への基盤構築
Project/Area Number |
19K10245
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石田 健 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (90808833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 一徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (40379110)
池邉 一典 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70273696)
和田 誠大 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (20452451)
阿部 舞美 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80824721) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 要介護高齢者 / 歯科介入 / 口腔機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
要介護高齢者の心身の状態や社会環境は多様であり、その結果として身体的または社会経済的な理由により十分な歯科治療を行うこと、そして継続することが困難である場合が多い。特に訪問診療の場合、患者のおかれた環境や器材による制約も多く、診療室で行うような画一的な治療方針では対応が不可能であり患者の全身状態や生活状況に応じた個別化医療が必要と考えられる。しかし、効果的な治療と管理計画の立案は容易ではない。 本研究では、様々な状態の要支援・要介護高齢者を対象にどのような歯科介入がより効果的であるかを明らかにすることを目的としている。昨年度は、長野県阿南町地域住民に対して、阿南歯科診療所ならびに訪問歯科治療にて治療の終了した87名に対して、口腔乾燥、口腔衛生状態、咬合力、舌口唇運動機能、舌圧、咀嚼機能ならびに嚥下機能を測定し、歯科治療開始前の同項目の比較検討をおこなった。その結果、対象者87名中、81名(93.1%)が口腔機能低下症(3項目以上に該当)と診断され、多数の要支援・要介護高齢者は、口腔機能の低下が生じていることが明らかとなった。なお、本結果は令和3年度の老年歯科医学会にて発表を行っている。最終年度については、上記患者の追跡調査を行っており、今後、再度老年歯科医学会にて発表を予定しているとともに、新規に約50名程度の地域住民のベースライン調査が終了しており、これについても今後、分析を行い最終的には学術雑誌への投稿を目指す。
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