2019 Fiscal Year Research-status Report
薬剤関連顎骨壊死の骨髄微小環境と大腸菌由来BMP-2の応用
Project/Area Number |
19K10246
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
縄稚 久美子 岡山大学, 大学病院, 助教 (10379787)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
大野 彩 (木村彩) 岡山大学, 大学病院, 講師 (20584626)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60613156)
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | MRONJ / BMP-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに報告された方法に従い,8~12週齢雌マウスに,3週間,週2回のzoledronate (Zometa; Novartis, Stein, Switzerland) (0.05mg/kg) の皮下投与と,cyclophosphamide (C7397; Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA) (150 mg/kg) の腹腔内投与を行い,MRONJモデルマウスの作製を行った.薬剤の投与開始3週間後に上顎左右の第一大臼歯の抜歯を行い,その後14,28,56日目の組織を回収し,MRONJが創傷治癒に与える影響をマイクロCTを用いた骨形態学的評価,HE染色による組織学的評価を実施した. 骨形態・組織学的解析の結果,薬物の投与を行なっていない対照マウスの抜歯14日後の抜歯窩はほぼ骨により再生している像が観察された.しかし,MRONJモデルマウスの抜歯窩では14,28,56日目のどの時期においてもほとんど再生骨が観察されず,細胞成分が少ない疎な組織によって満たされていることを確認した.さらに,作製したMRONJモデルマウスの抜歯窩への骨形成タンパク質であるrhBMP-2とTCPの複合体を移植し,その効果を検討した結果,非移植群と比較して,抜歯窩根尖部に骨形成が観察され,形成骨以外の抜歯窩は,細胞成分を豊富に含む密な結合組織で満たされていた.また本モデルマウスはかなり重症度の高いMRONJモデルであるため,さらにマイルドなMRONJモデルマウスでの検証が必要であると考えられる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初,MRONJモデルマウス作製の過程で,薬剤の投与により免疫力の弱まったモデルマウスへの抜歯等の侵襲的処置を行うことで,それ以降の研究が継続不可能になることが相次いだ.現在は実験手技等の研究方法を見直すことによりこの問題は解決された.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに作製したMRONJモデルマウスよりマイルドなモデルを作製し,rhBMP-2の治療効果の検討が必要であると考えられる.また,骨代謝において重要な役割を担っている骨芽細胞 (Col1a1-GFPマウス),破骨細胞 (Trap-Tomatoマウス),間葉系幹細胞 (CXCL12-GFPマウス)をそれぞれ特異的に可視化した遺伝子改変マウスMRONJモデルを用いることによって,抜歯窩治癒過程におけるこれらの細胞の挙動を時空間的に解析する予定である.
|
Causes of Carryover |
MRONJモデルマウス作製の抜歯研究等において当初の予定より時間がかかったため、今年度予定していた学会での成果発表を次年度に予定している。
|