2021 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤関連顎骨壊死の骨髄微小環境と大腸菌由来BMP-2の応用
Project/Area Number |
19K10246
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
縄稚 久美子 岡山大学, 大学病院, 助教 (10379787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00225195)
大野 彩 (木村彩) 岡山大学, 大学病院, 講師 (20584626)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60613156)
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MRONJ / BMP-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年度,昨年度は,我々が開発を進めているrhBMP-2とbeta-TCPの複合体がMRONJの治療に有効か検討した.具体的には,8-12週齢雌マウスに,3週間,週2回のzoledronate (Zometa; Novartis, Stein, Switzerland) (0.05mg/kg) の皮下投与と,cyclophosphamide (C7397; Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA) (150 mg/kg) の腹腔内投与を行いMRONJモデルマウスの作製を行った.薬剤の投与開始3週間後に上顎左右の第一大臼歯の抜歯を行った.14日後に抜歯窩を掻爬し,そこにrhBMP-2・beta- TCP複合体を移植した.4週後に回収し組織学的に評価した結果,非投与群の抜歯窩において骨性治癒はほとんど確認できなかった.一方,rhBMP-2とbeta-TCP の複合体を移植した群において,抜歯窩は完全に骨により治癒していることが確認された,以上の結果より,rhBMP-2・beta-TCP複合体は,MRONJにより生じた顎骨壊死の治療に有効である可能性が示された.そこで今年度は,エネルギー分散型X線装置にて抜歯窩周囲骨を詳細に解析した.その結果,対照群と比較し,rhBMP-2・beta- TCP複合体移植群において,有意にCaの割合が増加していることが明らかとなった.また,抜歯窩周囲骨の骨細胞ネットワークが回復しているか解析するため,Phalloidinにて染色し,レーザー顕微鏡にて解析を行った.その結果,rhBMP-2・beta-TCP複合体移植により,周囲骨の骨細胞ネットワークも回復していることが明らかとなった.以上の結果より,rhBMP-2・beta-TCP複合体移植により,正常に近い骨へと回復している可能性が示唆された.
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