2023 Fiscal Year Annual Research Report
高齢ドナー由来間葉系幹細胞を用いた骨増生時における細菌由来因子影響の解析研究
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19K10251
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下田平 直大 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (20710007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
末廣 史雄 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (40524781)
原田 佳枝 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60432663)
石井 正和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00456683)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 顎骨 / 骨再生 / 細菌感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
若齢(10週齢)と老齢(78~80週齢)のC57BL/6J種雄性マウスから、長管骨および顎骨由来の間葉系幹細胞(MSC)を採取した。収集された顎骨MSCにβ-gal染色を施し、老化細胞の陽性率を検出し比較分析を行った。組織分化能については、顎骨MSCを分化誘導培地で培養し、アリザリンレッド染色とオイルレッド染色を施した後、骨分化および脂肪分化の能力を評価した。また、顎骨MSCの骨分化、SASP、細胞周期に関連する遺伝子発現をリアルタイムPCRで比較検討した。顕微鏡観察により、老齢MSCは若齢MSCに比べて扁平で肥大化した細胞が多く、β-gal染色結果も老化細胞の陽性率が高いことが確認された。さらに、細胞分化実験においては、若齢および老齢MSCで石灰化と脂肪滴の形成が観察されたが、老齢MSCの方が若齢MSCと比較して分化能が低下していることが示された。リアルタイムPCR解析による遺伝子発現の比較では、一部のSASP関連遺伝子が老齢MSCで若齢マウス由来よりも亢進しており、長管骨由来MSCと比較してもその傾向が顕著であった。 これらの結果から、顎骨MSCでは老齢マウス由来の細胞は若齢マウスの細胞に比べて老化細胞が多く含まれ、SASPが亢進し、組織分化能が低下している可能性が示唆された。老齢マウスから顎骨MSCを採取する方法の確立と老齢マウスの入手に時間がかかるものの、実験は確実に進行し、有意義な結果が得られている。
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