2022 Fiscal Year Annual Research Report
閉塞性睡眠時無呼吸症の夜間血圧サージに対する口腔内装置の治療効果
Project/Area Number |
19K10255
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
奥野 健太郎 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50420451)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯科 / 睡眠時無呼吸症 / 口腔内装置 / 高血圧 / 睡眠障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)による睡眠中に繰り返される低酸素血症が引き金となり生じる急峻で甚大な血圧サージ(夜間血圧サージ)は、循環器イベントリスクの指標として注目を集めている。本研究では、心電図と脈派から心拍毎に算出が可能であるPTT(Pulse Transit Time)血圧測定法という新たな技術を用いて、口腔内装置(OA)治療による夜間血圧サージへの効果を検討した。 高血圧の既往があるOSA患者22名に対して、OA治療群とプラセボ群をランダムに振り分けクロスオーバー試験を行った。睡眠評価装置(ソムノタッチRESP)を用い、呼吸障害指数(REI) 、覚醒時の収縮期/拡張期平均血圧、睡眠中の収縮期/拡張期平均血圧、収縮期/拡張期最大血圧、収縮期血圧の最大変化量、1時間あたりの収縮期血圧12mmHg以上の上昇回数(サージ指数)を評価した。各項目について、OA治療群とプラセボ群の比較(paired t-test)を行った。 REIは 22.8±12.8 vs 10.0±7.6/h (p<0.01)とOA群で有意な減少を認めた。 PTT血圧に関して、覚醒時の収縮期平均血圧は131.7±15.2 vs 121.4±14.0mmHg (p<0.01)、睡眠中の収縮期平均血圧は123.3±15.3 vs 112.8±13.7mmHg (p<0.01)、収縮期最大血圧は154.7±23.5 vs 142.2±19.3mmHg (p<0.01)、収縮期血圧の最大変化量は29.7±10.5 vs 25.4±7.5mmHg (p<0.05)、サージ指数は19.3±20.1 vs 13.2±15.2/h (p<0.05)といずれの項目もOA群で有意な減少を認めた。本研究結果から、OA治療は夜間血圧サージに対しても有効である可能性が示唆された。
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