2021 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部特異的SIRT1を指標とした脳・口腔相関の解明
Project/Area Number |
19K10256
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
山田 匡恵 (古川匡恵) 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 外来研究員 (90439456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 亜希子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 中枢性老化・睡眠制御研究プロジェクトチーム, プロジェクトリーダー (80800979)
松下 健二 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 部長 (90253898)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 咀嚼 / オーラルフレイル / SIRT1 / 視床下部 / 老化 / 海馬 / astrogliosis |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歯の喪失による視床下部への影響について同一の飼育環境で生育した若齢および老齢マウスの抜歯群と非抜歯群の視床下部を中心とした、歯の喪失とSIRT1との因果関係を明らかにすることを、免疫組織化学的および分子生物学的に解析することを目的としていた。研究1年目より、マウスの飼育期間を3ヶ月に延長した他、SIRT1以外の老化関連分子の発現にも注目した。その後、検討を続け、新たにY字迷路実験などの行動実験を取り入れた。老齢マウスの抜歯群が認知機能の低下、夜間の活動の活発化を示しただけでなく、視床下部および海馬において神経細胞マーカーNeuNの減少、ミクログリアマーカーIba1、アストロサイト老化マーカーGFAPの上昇などをPCRおよび免疫染色で確認した。これらの結果を統合的に検討した結果、咀嚼機能の低下が視床下部および海馬においてastrogliosisを誘導していることを明らかにした。 最終年度の今年度は、3年間で得られた結果をもとに、論文投稿や学会発表を行う予定であり、実際に学会発表および論文発表を行った。具対的には、2021年、第32回日本咀嚼学会において、「歯牙の喪失が視床下部及び海馬に及ぼす影響~若齢・老齢マウスにおけるおよび解析~」というタイトルで口頭発表した。Web開催にも関わらず多くの研究者から質問や討論があり、活発な議論を行った。また、「Molar loss induces hypothalamic and hippocampal astrogliosis in aged mice」というタイトルで Scientific Reportsに投稿、2022年4月18日に掲載された。本年の助成金は、主に追試用のマウスや実験試薬の購入、英文校正などに使用した。
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