2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒト歯髄細胞および歯髄由来多能性幹細胞に由来するエクソソームの性質と機能の検索
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19K10263
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
畠山 大二郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60377653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 知子 (武田知子) 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (30509815)
飯田 一規 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30585237)
柴田 敏之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226172) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歯髄細胞 / iPS細胞 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、単離・精製するエクソソームに血清由来成分やフィーダー細胞由来成分などが含まれないようにするため、ヒト智歯由来歯髄細胞株を無血清の培養条件のもとで準備し、これらの細胞から多能性幹細胞(iPS細胞)をフィーダー細胞なしの無血清の培養条件で準備し、これらの培養上清をエクソソーム精製にもちいて、エクソソームを精製し特製の評価を行った。 その結果、(1)iPS細胞培養上清からのエクソソームの精製と特性評価を検討し、iPSCエクソソームは、ナノ粒子解析、電子顕微鏡においてサイズの不均一性が高いことがわかった。ウエスタンブロッティングではCD81、CD9およびCD63の発現を認めた。(2)iPS培養液中のタンパク質およびRNA含有量の定量化を検討し、iPS細胞培養液から粒子の混入がみられ, それはRNAではなく, 約46%のタンパク質の混入がみられた。(3)無血清培地で培養したiPSエクソソームとの比較を検討し、無血清DMEMで培養して精製したエクソソームでは、ナノ粒子解析、電子顕微鏡においてサイズが小さく均一な集団が採取できた。(4)iPSエクソソームにおける細胞遊走能の確認を検討し、iPS-ES培地エクソソームを添加した細胞は、培養液からのタンパク質の混入もあるため効果が見えないが、純度の高いiPS培地エクソソームを添加した細胞では細胞遊走は抑制傾向がみられた。 以上の結果より、iPSエクソソームを精製する場合、培養液からの粒子やタンパク質の混入の可能性がある。しかも培養液は細胞や分泌されるエクソソームの性質に影響を与えるため、エクソソームの精製時には注意が必要であることが明らかとなった。 今後、これらをもとに、上記培養条件下での細胞の性質や安全性についても合わせて、評価を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯髄細胞からのエクソソームの精製については順調に行えるようになっている。 また、こうして得られた、エクソソームの特性についても現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
エクソソームからmicroRNAを網羅的に検索・比較を行う。
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Causes of Carryover |
実験試薬などの入荷・在庫不足により、実験に支障が出たため
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