2020 Fiscal Year Research-status Report
ヘミデスモソーム構造の解離と再構築に着眼したの口腔癌浸潤機構の解明
Project/Area Number |
19K10269
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安河内 篤 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (30724968)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヘミデスモソーム / BP180 / 非コードRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ヘミデスモソーム構成因子のひとつであるBP180(180 kDa bullous pemphigoid antigen, collagen XVII)に着目した、がん進展制御機構の解析と、当該因子の発現制御機構の解明を目指している。細胞外マトリックスの一形態である基底膜は、がん細胞浸潤の物理的障壁となっている。実際に、近年の報告によって、癌細胞の浸潤・転移などの細胞運動時に、基底膜の 細胞間接着様式の一つであるヘミデスモソーム構造の解離や再構築が起きていることが明らかとなってきている。 前年度までに、口腔癌(舌癌、歯肉癌)の組織学的解析において、正常組織では基底膜のみに局在しているBP180が、癌組織では、その辺縁領域に集積していること、その局在は、野生型p53の局在と必ずしも一致しておらず、悪性腫瘍細胞に発現しているBP180には、p53非依存的発現制御機構が存在することを示唆するデータを得た。 そこで今年度は、BP180の発現制御機構について、非コードRNAの関与に着目した解析を行ない、正常およびがん組織においてBP180を制御するmicroRNAを、in vitroの細胞培養系を用いて同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
R2年度までに得られた結果をさらに発展させ、BP180のリガンド探索を行う。また、BP180安定発現口腔癌細胞の樹立を行い、解析ツールを準備する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、輸入試薬の到着遅延が生じたため。当該試薬は、2021年春に到着見込みであり、研究の進捗には ほとんど影響はない。
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Research Products
(1 results)