2022 Fiscal Year Research-status Report
新規がん治療法開発に向けた口腔がん幹細胞における上皮間葉転換抑制因子の機能解明
Project/Area Number |
19K10274
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 正人 東京医科大学, 医学部, 兼任准教授 (40349460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 通秀 東京医科大学, 医学部, 講師 (00421066)
古賀 陽子 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (10392408)
近津 大地 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (30343122)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔がん幹細胞 / 上皮間葉転換 / Fbxw7 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで下記4つの項目について研究を実行してきた。 1.腫瘍組織内からがん幹細胞を単離および上皮間葉転換マーカー発現の検討。その後症例を重ね切除された口腔扁平上皮癌の実質組織より抽出された細胞をコラゲナーゼ処理し培養してきた。安定した継代培養には至らず、不安定な発現を示すALDH+/CD44+陽性細胞を確保した。また、上皮間葉転換マーカーの発現では免疫染色法を用いて6種類のマーカーの発現様式を検討したが、一定した発現パターンは見出せなかった。 2.上皮間葉転換型細胞に対し薬剤感受性の検討。上皮間葉転換型細胞の抗癌剤抵抗性を評価する項目であるが、96wellプレート上に細胞数を一定に調整し抗癌剤を加えインキュベートした。その後、細胞数を測定しその抵抗性を試みた。単離される細胞の性状が不安定な為、薬剤感受性試験結果の解釈に信用性を欠き再度追試をした。現状において感受性の差に有意性は見出せなかった。 3.腫瘍組織内の上皮間葉転換マーカーの発現の検討。6種類のマーカーについて発現の有無および様式について検討した。マーカーによっては発現分布と発現様式に一定の傾向が認められた。 4.上皮間葉転換型細胞に対するFbxw7の存在の解明。限定的ではあるが組織上で上記マーカーが発現する上皮間葉転換型細胞相当部位よりFbxw7を想定するDNAを抽出しその検出を行った。 PCRによるFbxw7の検出には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
腫瘍組織内からのがん幹細胞の単離において、計画通りに再現性のある培養が困難であった。その状況下において薬剤感受性の検討を行ったが、安定した結果まで至っていない。また、検体組織上の口腔扁平上皮がん幹細胞に対して上皮間葉転換マーカーの発現にむらが生じたため、抗体の希釈倍率や前処理の調整をしてきた。上皮間葉転換型細胞に対するFbxw7の解明では、発現結果より上皮間葉転換型細胞相当部位よりFbxw7の検出を試みたが、PCRによるFbxw7の検出には至らなかった。 以上、想定した研究結果に至っておらず計画通りに進展しなかった。 また、2022年度においても、現在、在職中の職場におけるコロナ感染対策により研究時間の確保に制限が生じ計画通りの進行が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
上皮間葉転換型細胞に対するFbxw7の解明については、組織上の発現パターンの異なる部位より抽出し引き続きFbxw7の検出を重ねて行きたい。また、上皮間葉転 換型相当細胞とそれ以外の腫瘍実質(増殖期がん細胞)の両群で発現するmiRNAの違いも調べ、Fbxw7の標的遺伝子を探索していく予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度も職場におけるコロナ感染対策により研究時間の確保に制限が生じ計画通りの進行が困難であった。次年度使用額は論文投稿時の費用および学会旅費に使用予定である。
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