2020 Fiscal Year Research-status Report
再生組織におけるECM-細胞間調節機構の解明とアログラフトの実現化
Project/Area Number |
19K10281
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅輪 幸世 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (10769912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 悟 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00646200)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30344451)
疋田 温彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (60443397)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 軟骨再生医療 / 脱細胞化ECM / 足場素材 |
Outline of Annual Research Achievements |
脱細胞化ECMを作製し、同種もしくは異種の細胞を再挿入し、細胞種と細胞外基質との関連性を検討した。 軟骨組織で報告されているインテグリンの阻害抗体やαVβ3を特異的に阻害するRGDペプチドを用いてフィブロネクチンを抑制した。併行して、分解酵素であるMMPsは軟骨細胞で発現が報告されているMMP-1、2、3、13と膜型MMPsのMT1-MMPに対する各インヒビターと内因性の阻害剤であるTIMPを使用した。各インヒビターは細胞障害性のない最適濃度を検討した後、インヒビターを添加した軟骨増殖培地で3週間培養後、組織(免疫)組織化学的観察、電子顕微鏡観察によるインテグリン接着斑の微細形態変化や遺伝子発現、生化学的定量を評価中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響より研究が制限されたため、研究速度が遅延した。 脱細胞化ECMの細胞再挿入の方法やインテグリン阻害およびMMP阻害の条件検討、解析に時間を要しているため、遊走性や増殖および軟骨形成が抑制される因子を選定するまでに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
検討したレセプターとリガンドの発現確認も行い、コントロールの同系再生軟骨と比較して、遊走性や増殖および軟骨形成が抑制される因子を選定する。選定した候補因子のRNAiによる機能解析を行い、再生制御因子を同定する。pSINsi-hU6 DNAを用いて選定したインテグリン、MMPsに対するshRNA発現レトロウィルスベクターを構築し、RetroNectinを用いて遺伝子導入を行い、選定因子のノックダウン細胞を作製する。機能抑制した同系細胞を脱細胞化ECMに注入し、培養後、①項の評価法に準じて評価を行い、電子顕微鏡観察による微細形態変化、細胞遊走性や増殖抑制による軟骨形成不全を確認することにより、組織再構築に関連する再生誘導因子を同定する。
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Causes of Carryover |
動物実験を必要最低限に留めた。加えて、インヒビターを選択し最低限に収めた。 次年度は遺伝子導入に必要な薬剤を購入する予定である。
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