2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the mucous membrane damaging effect of the complex of bisphosphonate and calcium salt
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19K10285
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
黒原 一人 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (90401364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 直也 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80323723)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ビスフォスフォネート / 顎骨壊死 / カルシウム塩 / 粘膜為害作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビスフォスフォネート関連顎骨壊死 (BRONJ)の発症メカニズムの解明をするために、ビスフォスフォネート(BP)の口腔粘膜上皮細胞にたいする毒性がBRONJ発症の重要な因子であると仮説をたて検証している。カルシウム塩併存下のBPの粘膜上皮細胞毒性が増強するメカニズムについては不明である。そこでカルシウム塩併存下において、リン酸カルシウムが形成されて、リン酸カルシウムとBPの結合体はBP単体と比較して上皮細胞にBP成分が取り込まれる効率が増加すると仮説をたてて、その仮説を検証している。カルシウム塩存在下でリン酸カルシウムが形成されてBPと結合して、その結合体が細胞内に取り込まれた場合、取り込まれた細胞のアポトーシス誘導、またはその周囲の細胞へ影響を検討するために培養細胞を用いて条件検討を行っている。細胞周囲のpHの変化がカルシウム塩形成の因子として関与していることを昨年に引継ぎ検討している。具体的には細胞培養環境のpHの変化によるリン酸カルシウム塩とBPとの結合体の形成効率について検討を進めてきた。In vitroでのリン酸カルシウム塩形成量はpHの変化により増減することを確認した。培養細胞環境におけるpHの変化が培養細胞内へのリン酸カルシウム塩とBPとの結合体の取り込み効率に及ぼす影響を実験にて確認中である。本年度は主にリン酸カルシウム塩結合体のpHの変化による形成条件の検討、培養細胞での為害作用について取り組んだ。生体内でのBPとリン酸カルシウム塩の結合体の粘膜上皮細胞への為害性作用を検証するために、BRONJモデルマウスを用いた動物実験を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の培養条件設定に時間を要した遅れを取り戻すスピードが鈍く、新型コロナウイルス感染拡大に伴う対応などによりやや研究遂行に乱れがあった。動物実験で用いるモデルマウスの作製に時間は要しているが概ね計画を遂行している。研究計画進捗状況はやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞を用いた実験では為害作用を惹起する細胞内シグナル伝達について検討を進めていく。また、モデルマウスを用いた生体内でのリン酸カルシウムとBPとの結合体の取り込みや為害作用について免疫組織学的検討も継続して進めていく予定である。研究計画の遅れに対しては、部局内の大学院生(2名)や研究にかかわる教員(3名)にも協力をいただき遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度の研究計画遂行に生じた遅れを取り戻すスピードが鈍く、新型コロナウイルス感染拡大に伴う対応や、学会の開催中止などにより情報収集活動に充てていた予算使用が減額したことと、行動制限や実験器具の納入の遅れなどにより研究遂行に乱れや遅れを生じたため予算使用額が低めになってしまったためです。使用計画としては、学会参加、打ち合わせ、情報収集がWebに移行するため、旅費などは実験試薬の購入に充てる計画です。具体的にはFACSのための抗体やリアルタイムPCRのプローブ購入などに予算を厚くしていく予定です。
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