2022 Fiscal Year Research-status Report
The study to establish animal models and molecular insight of targeted therapy drugs associated osteonecrosis of the jaw
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19K10286
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
天野 克比古 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (20448129)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分子標的治療薬 / 血管新生阻害薬 / 骨代謝 / 顎骨壊死 |
Outline of Annual Research Achievements |
外科的切除や放射線化学療法という従来の癌治療に加え、近年導入されている分子標的薬である血管新生阻害薬、Anti-VEGF抗体やTyrosine kinaseinhibitors(TKIs) では抗腫瘍効果を示す一方、口腔副作用として顎骨壊死が報告されている。顎骨壊死は破骨細胞機能を抑制するBisphosphonate製剤や抗RANKL抗体という骨修飾薬に関連することが分かっているが、Anti-VEGF抗体やTKIsがそれを発症させる機序は十分に解明されておらず、生物学的実験モデルは確立されていない。本研究では破骨細胞特異的VEGFシグナル欠損マウス (LysM-Cre;VEGFR2 e3loxp/ e3loxp) を作成すること、骨修飾薬にTKIsを投与するマウスを作成すること、そして各々で抜歯モデルを作成し顎骨壊死発症の有無を検討することを計画した。前者の遺伝子組み換えマウスの作成については昨年度と同様に搬入には至っていない。一方、骨修飾薬にTKIsを投与するマウスを作成する実験をすすめており、対照群、Bisphosphonate製剤であるゾレドロン酸腹腔内注射群、TKIsであるスニチニブリンゴ酸塩経口投与群、ゾレドロン酸+スニチニブリンゴ酸塩投与群の4グループの作成を行った。そして4グループ各々で上顎の片側臼歯の抜歯術を実施し、治癒を評価した。試料採取時点で動物をSacrificeし頭蓋顎顔面部を摘出した。その後、抜歯後の上皮化やマイクロCTを用いた骨性治癒の評価を行った。またゾレドロン酸の骨代謝への効果を確認するため、膝関節を含む下肢を採取し、4グループ各々で骨端軟骨に連続する柱状骨の評価も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者の異動のため、研究活動に割く時間や実験材料について制限があったため令和4年度の進捗状況としては遅れていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
骨修飾薬にTKIsを投与するマウスを作成する実験を中心に研究計画を推進していく予定である。対照群、Bisphosphonate製剤であるゾレドロン酸腹腔内注射群、TKIsであるスニチニブリンゴ酸塩経口投与群、ゾレドロン酸+スニチニブリンゴ酸塩投与群の4グループについて、さらに抜歯モデルの作成と解析を進めて、データの収集や解釈を行っていきたいと考えている。今後は各グループにおいて個体数を増やすことや投与期間や投与用量について再検討を行いより詳細な表現型を見出すことを計画している。
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Causes of Carryover |
研究代表者の異動やその他の業務の多忙または研究遂行に予想以上の時間を要すると判断され補助事業期間の延長を申請している。今後の研究の推進方策の欄で記載しているように、延長した1年間で実験やデータ収集の仕上げをしていく計画である。使用額の使用計画については主に物品費や旅費、その他の支出を予定している。
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