2019 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリアダイナミクス異常が唾液腺機能に及ぼす影響の検討
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19K10287
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
樋口 仁 岡山大学, 大学病院, 講師 (30423320)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミトコンドリアダイナミクス / 唾液腺 / Tmem135 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はミトコンドリアダイナミクスが癒合方向に促進されているTmem135変異マウスとミトコンドリアダイナミクスが分裂方向に促進されているTmem135トランスジェニックマウスの両マウスにおいて、唾液腺での表現系を検討することにより、唾液腺におけるミトコンドリアダイナミクスの機能的役割を検討することである。 2019年度は7~11ヶ月齢のTmem135変異マウスにおいて唾液線機能の評価と唾液線の組織学的検討を行った。唾液腺機能として、唾液分泌量、唾液中に含まれる全タンパク濃度、アミラーゼおよびコルチゾール濃度の測定を行った。組織学的検討としてはヘマトキシリン・エオジン染色、アルシアンブルー染色、マッソントリクローム染色を用いて顎下腺切片を染色し、組織学的変化を検討した。 唾液分泌量は、Tmem135変異マウスはコントロールマウスと比較して減少傾向が認められたが、統計学的有意差は認められなかった。また唾液中のコルチゾール濃度はTmem135変異マウスで増加傾向にあったが、統計学的有意差は認められなかった。全タンパク濃度、アミラーゼ濃度については明らかな増減の傾向は見出せなかった。組織学的にはヘマトキシリン・エオジン染色において、加齢等に伴って唾液腺に観察される空胞化が見られた切片がTmem135変異マウスに認められたが、明確な所見は得られなかった。またアルシアンブルー染色、マッソントリクローム染色においてもTmem135変異マウスに特徴的な所見は見出せなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度の年度末にTmem135トランスジェニックマウスを、研究協力者である米国ウイスコンシン州立大学マディソン校のDr. Ikedaから譲渡を受けるように計画をしていたが、coronavirus disease 2019の影響により今現在、譲渡を受けることが出来ていない。そのためTmem135トランスジェニックマウスにおける唾液線機能の評価と唾液線の組織学的検討のための同マウスの繁殖を開始出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度はTmem135トランスジェニックマウスにおける唾液線機能の評価と唾液線の組織学的検討を行う予定であったが、coronavirus disease 2019の影響により研究協力者から同マウスの入手が困難な状態となっている。そのため2020年度は2021年度に予定していたTmem135変異マウスの唾液腺のマイクロアレイ解析を前倒しして行う。これによりまずTmem135変異マウスの唾液腺に発現が増加あるいは減少している遺伝子を網羅的に探求する。
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Causes of Carryover |
2020年3月に研究打ち合わせのため研究協力者である米国ウイスコンシン州立大学マディソン校のDr. Ikedaを訪問予定であったが、coronavirus disease 2019の影響により訪問できなくなった。今後、時期を見て、研究打ち合わせおよび技術的支援を受けるため同大学の訪問を計画する。
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