2022 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアダイナミクス異常が唾液腺機能に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
19K10287
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
樋口 仁 岡山大学, 大学病院, 准教授 (30423320)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミトコンドリアダイナミクス / 唾液分泌 / Tmem135 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ミトコンドリアダイナミクスが癒合方向に促進されているTmem135変異マウスと、ミトコンドリアダイナミクスが分裂方向に促進されているTmem135トランスジェニックマウスの両マウスにおいて、唾液腺での表現系を検討することにより、唾液腺におけるミトコンドリアダイナミクスの機能的役割を検討することである。 2022年度は①研究協力者である米国ウィスコンシン州立大学マディソン校のDr. Ikedaより譲渡を受けたTmem135トランスジェニックマウスのマウスラインの確立、②Tmem135トランスジェニックマウスとwild typeマウスでピロカルピン誘発の唾液分泌量の比較、③Tmem135変異マウスとwild typeマウスの唾液腺におけるミトコンドリアを電子顕微鏡で観察しその形態の比較、の3つを行った。 ①については安定した繁殖によりマウスラインが確立し、安定してTmem135トランスジェニックマウスを供給出来るようになった。②についてはTmem135トランスジェニックマウスにおいて唾液分泌量の増加がみられ、Tmem135が唾液分泌機構に何らかの関与をしている可能性が示唆された。③については電子顕微鏡レベルでのミトコンドリアの形態変化は確認出来ず、更なる検討が必要である。 研究全体を通し,Tmem135変異マウスでは唾液分泌の減少傾向、Tmem135トランスジェニックマウスでは唾液分泌の増加傾向がみられ、Tmem135は唾液分泌機構に関連した遺伝子であり、ミトコンドリアダイナミクスは唾液分泌にも関連している可能性が示唆されたが、明確な表現系は見出せず、更なる検討が必要である。
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