2019 Fiscal Year Research-status Report
Identification of reactive oxygen species caused by MCI and dementia and examination of stress reduction method by antioxidant
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19K10295
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
李 昌一 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60220795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 知子 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 講師 (20234875)
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MCI / 認知症 / 唾液 / 酸化ストレス / 抗酸化物質 / 電子スピン共鳴法 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症は活性酸素種(ROS)による酸化ストレスが原因の1つであるが、直接的なROSの役割の解明とそれを消去・無毒化する抗酸化物質の評価はこれまで行われていない。したがって、本研究の目的は非侵襲的で簡便に採取できる唾液を用いて、MCI(軽度認知障害)・認知症の直接的な酸化ストレス・抗酸化物質評価法を確立し、災害関連死を含めた生活不活発病あるいはメンタルストレスによる認知症予防に役立つ評価法の開発を目指している。2019年度にかけての検討から、健常被験者(21-68歳)のMOCA-J(認知機能試験)を行い、並行して唾液における活性酸素種(ROS)の役割の解明のため、唾液による電子スピン共鳴(ESR)法を用いた抗酸化能(ROS消去能)を試みた。健常被験者の唾液によるROS消去能と認知度の相関については、認知度、唾液抗酸化能を検討した結果、抗酸化能との相関が見られるデータも確認したが、確かな相関は年度末までの段階では確認されなかった。さらに2020年度において、当初の計画にある認知機能とROSへの消去能の相関解析のスクリーニングをさらに幅広い年齢層において行い、確認された相関のエビデンスを重ね、今後さらにMCI、認知症のある患者に対する唾液中のROS消去能の評価を重ねることにより、MCI(軽度認知障害)・認知症予防診断法としての臨床的基盤を整えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初できるだけ早く、神奈川歯科大学付属病院(障害者・高齢者歯科)、鶴見大学付属病院(ドライマウス外来)で、心療内科または精神科でメンタルストレスによるMCI・認知症の診断を受けた患者および歯科医師によってMedically unexplained symptom (MUS) が認められた患者においてスクリーニンクされた患者を対象とし て、臨床研究を進める予定であった。しかしながら、対象被験研究者による実験のMOCA-Jによる認知機能評価をより、正確にするために、神奈川歯科大学付属病院によるfMRI検査を並行研究として進めたために、実施回数に制限が起きたため、まだ十分な解析に至る被験者数となっていない現状である。この2019年度患者への臨床応用研究が遅れを取り戻すために、健常者を含め、MUS患者を中心とした被験者に対して唾液を用いた抗酸化能評価の資質評価をこれまでの健常人の実験データと比較検討して、臨床応用研究を行うつもりである。
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Strategy for Future Research Activity |
2019度までの検討において、健常被験者のMOCA-Jによる認知機能評価を行い、並行して唾液における活性酸素種(ROS)の役割の解明のため、唾液による電子スピン共鳴(ESR)法を用いた抗酸化能(ROS消去能)を試みたが、現状ではまだ相関関係を明確にするための被験者数は少ないので、2020年度は健常者を含め、MUS患者とMCI・認知症患者との比較検討による臨床応用研究を主としておこない、酸化ストレスとMCI・認知症との関連性を探索することを進める。また、MCI・認知症患者に臨床応用可能な抗酸化物質の唾液抗酸化評価の基礎的検討をおこない、スクリーニングの準備が可能になった後に、MCI・認知症の有る患者における唾液抗酸化評価の比較検討をおこない、MCI・認知症の有る患者に有効な抗酸化物質の絞り込みを実施したい。
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Causes of Carryover |
次年度の研究に当てる予定である。
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Research Products
(27 results)
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[Journal Article] Novel Osteogenic Behaviors around Hydrophilic and Radical-Free 4-META/MMA-TBB: Implications of an Osseointegrating Bone Cement.2020
Author(s)
Sugita Y, Okubo T, Saita M, Ishijima M, Torii Y, Tanaka M, Iwasaki C, Sekiya T, Tabuchi M, Rezaei MN, Taniyama T, Sato N, Saruta J, Hasegawa M, Hirota M, Park W, Lee MC, Maeda H, Ogawa T
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Journal Title
International Journal of Molecular Sciences
Volume: 21
Pages: 2405
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Eating Behavior and Risk of Cardio-Metabolic Diseases2019
Author(s)
Magomed M, Singh RB, Mogi M, Lee MC, Chibisov S, Bawareed AO, Khabirov A, Alsmadi YM, Watanabe S, Komatsu T, Agarwal N
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Journal Title
World Heart Journal
Volume: 11
Pages: 141-148
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] 歯科治療時におけるアルコール関連障害群患者の自律神経解析2020
Author(s)
井上裕之, 長谷則子, 井出桃, 李昌一, 角田晃, 宮城敦, 小松知子, 関端麻美, 西村康, 長谷徹, 柿木保明
Organizer
第4回臨床自律神経機能Forum
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[Presentation] オーラルフレイル予防を目指した抗酸化食品魚肉ペプチドの基礎的検討-超高齢者医療における医科・歯科・栄養多職種連携による臨床展開-2019
Author(s)
横山滉介, 小松知子, 重藤良太, 岩口真路, 石田瞭, 片山幸太郎, 森本佳成, 長谷則子, 西村康, 長谷徹, 李昌一
Organizer
第72回日本酸化ストレス学会学術集会
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[Presentation] 唾液を用いた電子スピン共鳴(ESR)法による健康食品素材の抗酸化能評価-健康長寿を目指した抗酸化薬剤・食品開発への応用-.2019
Author(s)
李昌一, 小松知子, 春田史織, 青木淳平, 赤崎さとみ, 横山滉介, 菅野範, 吉田圭司郎, 片山幸太郎, 森本佳成, 平山暁, 佐藤圭創
Organizer
第72回日本酸化ストレス学会学術集会
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[Presentation] Down症候群者の口腔機能の加齢による変化2019
Author(s)
小松知子, 近藤達郎, 長田豊, 宋文群, 重藤良太, 横山滉介, 長田侑子, 井元拓代, 三村恭子, 高比良喜世美, 川添朋子, 春田史織, 森本佳成, 李昌一
Organizer
第36回日本障害者歯科学会総会および学術大会
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[Presentation] 障害者オーラルフレイル予防を目指した歯科・栄養連携による臨床展開への基礎的検討 魚肉ペプチドの高血圧動物モデルへの効果2019
Author(s)
横山滉介, 小松知子, 松澤直子, 岩口真路, 能地玲子, 宮崎沙良, 小松真理子, 佐伯彩, 福富もか, 新倉悠里, 宮本晴美, 石田瞭, 森本佳成, 李昌一
Organizer
第36回日本障害者歯科学会総会および学術大会
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[Presentation] 大規模災害の高齢者・障害者新規災害関連死リスク評価法開発のための基礎的検討.2019
Author(s)
李昌一, 横山滉介, 赤坂徹, 宮城敦, 西山和彦, 川邉裕美, 高満幸宣, 玉川綾子, 三國彩, 田邉千晶, 森本佳成, 小松知子
Organizer
第36回日本障害者歯科学会総会および学術大会
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