2019 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織由来幹細胞を用いた顎骨再生医療開発のための基礎的研究
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19K10296
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
松本 剛一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60199867)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脂肪組織由来幹細胞 / osteoblasts / endotherial cells |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪組織由来幹細胞としてラット脂肪組織から、adipose derived stem cells(ASC)とdedifferentiated fat cells (DFAT)を分離した。また骨髄細胞からはbone marrow stem cells (BMSC)を骨芽細胞誘導の陽性コントロール細胞として分離を行った。それぞれの細胞の細胞増殖能の解析を行うと、ASCとDFATはBMSCに比較して5倍以上の細胞増殖能を示した。次に細胞表面マーカーとして、CD31,CD44,CD45,CD90,CD105の発現について解析を行ったが、有意な発現変化は確認できなかった。骨分化培地(基本培地にデキサメタゾン、アスコルビン酸、βグリセリン酸含有)で骨芽細胞への誘導を行ったところ、BMSCの骨芽細胞への分化に比較して、アルカリフォスファターゼの発現や石灰化度の程度は弱いが、骨芽細胞への分化誘導が可能であった。またASCおよびDFATを血管内皮細胞誘導培地(VEGF,hFGF-B,IGF-1,アスコルビン酸,EGF,GA-1000含有)を用いて培養を行ったところ、細胞はシート状に増殖し、トリプシン-EDTA溶液では細胞分散が困難な、マトリックス構造を構築し、一部の細胞にvon Willebrand Factor(vWF)の発現が確認された。 次に生体内において組織構築を成すためのスキャホールドが必要である。本研究においてはスキャホールドとしてβ‐TCP含有多孔性ゼラチンスポンジを使用することとした。ASCあるいはDFATをスポンジ内に播種し、細胞培養を行ったところ、細胞はスポンジ表面に付着して増殖することを明らかとした。 以上、今年度はASCとDFATのin vitroにおける骨芽細胞および血管内皮細胞への分化能力と、スキャホールド内での細胞培養が可能である事を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨芽細胞への分化誘導条件の決定にやや時間を費やしたが、in vitroの解析は概ね順調に進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroの解析結果を基にin vivoにおいて、ASCあるいはDFATによる骨再生の効果について解析、評価を行う。具体的には、ASCあるいはDFATをスキャホールド内に播種し、骨芽細胞を誘導したものを培養骨としてラット骨欠損部に移植を行い、骨再生の解析を行う。またASCあるいはDFATから誘導したシート状血管内皮細胞と培養人工骨を同時に骨欠損部に移植して、血管網を積極的に構築させることで、骨形成能に影響があるかを解析する予定である。
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Causes of Carryover |
少額なため必要な物品購入が出来なかった。次年度に物品費に加算して使用する予定である。
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