2020 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織由来幹細胞を用いた顎骨再生医療開発のための基礎的研究
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19K10296
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
松本 剛一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60199867)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脂肪組織由来幹細胞 / 骨再生 / 足場 / β-TCP / ゼラチンスポンジ |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット脂肪組織から採取した脂肪組織由来幹細胞(ASC)を、骨形成培地で培養して骨芽細胞に誘導可能であるか検証を行った。培養10日目にアルカリフォスファターゼ(ALP)染色を行うと、ALP陽性細胞の出現がみられた。さらに培養を続け、培養21日目にアリザリン染色を行ったところ、細胞外基質部の石灰化が確認された。また定量的RT-PCR法にてオステオカルシンおよびオステオポンチンの発現解析を行ったところ、両遺伝子は培養7日目から増加がみられ、発現増強は培養21日目まで見られた。以上の結果から、ASCは骨芽細胞に分化可能である事をin vitroで確認を行った。次にin vivoでの骨形成能の解析を行った。骨形成の足場としてβ-TCP含有ゼラチンスポンジを使用した。ラット頭蓋骨に骨欠損を作製してASCを播種したスポンジを填塞した。12週間後に頭蓋骨を摘出して、肉眼的およびレントゲン撮影およびμ-CT撮影を行い骨形成の状態を観察した。その結果、スポンジ単体を移植した場合は、骨欠損部の骨形成は確認できなかったが、ASCを播種したスポンジを移植した場合、骨欠損部周囲から新生骨が形成され、骨欠損部の修復が成されていた。現在、骨再生の状態を組織学的に解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoにおける骨再生実験も概ね順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoでの骨再生実験の結果を詳細に解析し、ASCの骨再生の有用性を明らかにして行く。
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Causes of Carryover |
当該年度は、研究協力者との対面での打ち合わせや解析を行うことが出来なかったため、旅費等の出費が抑えられた。次年度もこの状況が続くと考えられる。 μ-CT等の画像解析は、解析業者に委託して行う予定である。 研究成果はホームページ等で公表するため、ホームページ作製費も必要と考えている。
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