2020 Fiscal Year Research-status Report
リンパ節転移診断遺伝子アルゴリズムの構築による口腔癌リンパ節転移予測の確立
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19K10312
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
合田 啓之 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00464371)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 頸部リンパ節転移 / 遺伝子診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の解析対象は口腔扁平上皮癌の未治療新鮮症例のうち腫瘍の大きさが T2 以下で、造影 CT、造影 MRI、PET-CT、超音波検査等にて明らかなリンパ節転移を認めない cN0 症例としている。解析対象組織は、生検もしくは原発切除組織および術前血清とし、多施設共同研究を予定している。本年度は、予定検体数より下回る検体集積実績であるが、各サンプルからの遺伝子発現プロファイルの集積も順調に進んでいる。プレサンプルによるアルゴリズム構築においては、まず、アレイによるリンパ節転移予測マーカーの候補として、リンパ節転移と関連して 2 倍以上の有意な発現変動を示す遺伝子を 329種類同定した。その中には FN1,LAMC2,TGFBI の発現亢進や KRT13,IVL,CLDN4 の発現低下などが含まれていた。これら遺伝子群を用いて SVM によるリンパ節転移予測モデルを構築し、その精度を評価したところ感度 60%,特異度 100%,正確度 80% であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体数に関しては、新規口腔癌患者受診数に依存しており、本年度は、予定数より少ない状況であり、研究に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の通り、多施設にて該当症例を集積し、遺伝子診断アルゴリズムの構築を行う。診断精度分析の結果によっては、追加症例を学習用データとして用いることで、アルゴリズムの再構築を行う。追加症例は 10 症例毎とし、上記した偽陰性症例 0% をキープしつつ、cN0 症例の潜在転移率と考えられる約 30% を診断できるアルゴリズムをもって、モデル完成とすることを目標とする。
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Causes of Carryover |
当該年度での解析サンプル数が予定より少なくなったこと(当該口腔癌新規患者数の減少)により、アレイ試薬等の購入が少なくなったことに起因します。次年度にてサンプル数の増加に応じて追加での解析等に使用いたします。
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