2021 Fiscal Year Research-status Report
生理活性脂質の受容体および産生の制御による骨吸収抑制機構と治療応用可能性の解明
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19K10340
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
引地 尚子 九州歯科大学, 歯学部, 特任教授 (50292876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有吉 渉 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40405551)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔外科学一般 / 生理活性脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、受容体分子系統解析により、骨髄炎などの骨吸収性疾患においてほとんど注目されていなかった生理活性脂質の内、血小板活性化因子(PAF)やロイコトリエンB4(LTB4)が骨吸収に重要で、その受容体(GPCR)抑制が治療上有用であることを見いだした。この分子系統解析により、近傍GPCRの内TDAG8にも骨吸収抑制作用のあることを発見した。しかしながら、細胞膜から切り出されるPAFのようなグリセロール骨格を持つ生理活性脂質が、いかに細胞外に放出され、さらに受容体に作用するかという機構については明らかでなかった。本研究は、「生理活性脂質の受容体アンタゴニストを用いた」治療、あるいは「生理活性脂質産生制御による」治療を念頭に、GPCR関連生理活性脂質のシグナル伝達機能を明らかにすることを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者は、生理活性脂質合成に関わる酵素群の研究を行い、進展させた。すなわち (PAF合成酵素も含む)リゾリン脂質アシル転移酵素群が炎症制御・骨関連細胞分化に関与することを示した。しかしながら、さらに骨炎症に関わる研究を実施しようとしたところ、コロナ感染の影響で、対面による協調的研究のスムーズな遂行ができなかった。さらに所属部局の変更で研究環境整備にやや時間を要した。そのため研究に遅れが生じたので、その遅れを取り戻したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに、リゾリン脂質アシル転移酵素群に関わる研究の進展が得られ、いくつかの骨炎症に係る知見も得られた。 本酵素群の解明は骨炎症性疾患発症機序の解明にもつながるので、関連領域を含めさらに検討することを考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、研究に従事できる環境が制限され、実質的な研究時間を取れず、研究が滞った。また、所属部局の変更により、研究環境を整えるのにやや時間を要した。 次年度は効率的な実験計画を立て、速やかに研究を施行する予定である。
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