2019 Fiscal Year Research-status Report
癌関連線維芽細胞(CAF)を標的とした新しい口腔癌治療戦略の開発
Project/Area Number |
19K10354
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三上 俊彦 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90595745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新美 奏恵 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20397136)
船山 昭典 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80529686)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 癌関連線維芽細胞 / 口腔扁平上皮癌 / 頸部リンパ節転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 生検標本および外科切除組織標本における癌関連線維芽細胞CAF(Cancer-Associated Fibroblast)の発現パターンの認識 新潟大学医歯学総合病院口腔再建外科で過去に手術単独治療をおこなった舌扁平上皮癌N0症例を46症例抽出した。外科切除標本のパラフィンブロックから連続薄切標本を作製し、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色、抗α-SMA抗体を用いた免疫組織化学が終了し、現在CAFの発現パターンを比較検討中である。
2) 生検標本および外科切除組織標本における臨床病理組織学的予後因子の解析 前述の実験を進めると同時に、対象症例における、頸部リンパ節転移危険因子を含めた既知の臨床病理組織学的予後因子として腫瘍分化度、腫瘍発育様式、腫瘍深達度、YK分類、脈管(リンパ管、血管)侵襲の有無について解析している。 現在データをまとめている途中だが、後発転移をきたしている症例においてCAFの発現を強く認める傾向にある。CAFは癌間質に存在する線維芽細胞のなかでα-SMAを発現しているものとして同定でき、CAFの発現頻度についてはフリーソフトのImage-Jを用いておこない、全線維芽細胞数に対するCAF数の割合(CAF率)を算出する予定である。CAF率は25%以下のものをlow score、26%以上をhigh scoreの2群に分類し、前述の各種臨床病理学的危険因子を含めて多変量解析による統計学的検討を行う。エンドポイントを頸部リンパ節後発転移とし、それぞれの危険因子としてのCAFの有用性を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験を進めるにあたり、免疫組織化学の条件検討を行い、時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
応募申請の内容にしたがい、今後の研究を推進する。
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Causes of Carryover |
(理由) 令和1年度に行った実験では予定額以下で行うことが可能であった。 (使用計画) 令和1年度に購入予定のものが令和2年度に変更となったが、それ以外はおおむね応募申請の内容に著変なく使用する予定である。
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