2021 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌幹細胞ニッチにおけるT細胞抑制性リガンドPD-L1の発現動態と病態解析研究
Project/Area Number |
19K10359
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷 亮治 広島大学, 病院(歯), 助教 (10291486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 哲治 東亜大学, その他の研究科, 教授 (00169153)
虎谷 茂昭 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (90172220)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔癌幹細胞ニッチ / 放射線耐性口腔癌細胞株 / PD-L1 / IGF2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において口腔癌幹細胞の細胞特性を有する放射線耐性株(LDR-A431、 HDR-A431株)のIGF2及びPD-L1遺伝子発現を定量PCR法にて検討した結果、WT-A431と比較してLDR-A431は、IGF2を約30倍、PD-L1を約10倍発現上昇していた。また、HDR-A431もLDR-A431程顕著ではないが発現上昇を認めた。Western blot法にてIGF2及びPD-L1蛋白発現を検討した結果、WT-A431と比較してLDR-及びHDR-A431ではIGF2が、またLDR-A431ではPD-L1の蛋白も発現上昇しており、LDR-A431ではIGF2が約2.5倍、PD-L1では約2倍の発現上昇を認めた。さらに、放射線耐性細胞株(LDR-A431、 HDR-A431)におけるIGF2下流シグナル関連蛋白の発現をBio-plexによる網羅的解析ならびにWestern blot法で検討した結果、LDR-、HDR-A431は、WT-A431と比較して、IGF2下流シグナル関連蛋白であるERK、p38、及びCREBの発現亢進を認めた。リン酸化蛋白の上昇率はCREBが最も高く、LDR-、及びHDR-A431ともにWT-A431の約2倍の上昇を示した。 また、Lymphokine-activated killer(LAK)細胞の放射線耐性細胞(LDR-A431、 HDR-A431)に対する細胞障害活性の検討した結果、WT-A431と比較して、LDR-、及びHDR-A431のいずれの細胞も、LAK細胞の障害活性に対して有意に耐性を示し、いずれのET ratioにおいても、LDR-A431が最も高い耐性を示した。以上の結果から、癌幹細胞としての性質を有する放射線耐性株の成立、維持にIGF2とPD-L1の2つの因子が相互に関与していることが示唆された。
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Research Products
(9 results)