2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K10360
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
神力 悟 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00583048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 啓隆 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (60379849)
植田 光晴 熊本大学, 病院, 教授 (60452885)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 転移・再発 / 循環腫瘍細胞 / メカノバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、休眠癌細胞の特性を理解し、転移・再発のメカニズムの解明と治療法の開発を行うことを目的として開始した。 前年度までの主な研究成果として、遠隔転移臓器における癌細胞の休眠・潜伏を再現する担癌マウスモデルにDNAバーコーディング法を応用することで、遠隔臓器を占拠する癌細胞クローンを捕えることに成功した。機能解析の結果、当該クローンは流体剪断応力(FSS)下でも安定な細胞間接着を維持することが可能なクローンであり、マウス血中で循環腫瘍細胞(CTC)クラスターを効率に形成し、遠隔臓器にドミナントに生着することが明らかとなった。さらなる検討の結果、癌細胞の力覚応答性の違いに基づいた、転移過程におけるクローン選択機構が存在する可能性が明らかとなり、英文原著論文としてその成果を発表した。このクローン選択機構をメカノセレクションと名付けた。 最終年度は、高度転移能を有するCTCクラスターにおけるメカノセレクションの分子機構を解明するため、患者由来細胞株(PDX由来細胞株)を含む各種癌細胞株を対象として、高精度金属フィルターを用い、FSS下もしくは静置条件下で浮遊させたクラスターとシングル細胞を分離し、RNAシーケンス解析を行った。その結果、各条件の間で異なる発現プロファイルを認めた。患者由来CTCクラスターとシングルCTCの遺伝子発現プロファイルの違いも踏まえ、機能解析を行ったところ、エンドサイトーシスがFSS下での安定な細胞間接着、CTCクラスターのクローナリティを制御していることを示唆する知見を得た。また、より高精度に生体における循環血中のFSSを再現するため、循環培養用デバイスの作製を開始した。
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Research Products
(5 results)