2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌のニコチンによるEGFR阻害剤耐性機構の解明:エビデンスに基づく禁煙の啓発
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19K10363
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
馬場 優 奥羽大学, 歯学部, 教授 (40597663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 訓 奥羽大学, 歯学部, 教授 (40254875)
加藤 靖正 奥羽大学, 歯学部, 教授 (50214408)
瀬川 洋 奥羽大学, 歯学部, 教授 (50226627)
藤井 正人 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (70129633)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔癌 / ニコチン / 短期曝露 / 長期曝露 / EMT / 癌幹細胞様特性 / EGFR/Aktシグナル伝達 / EGFR阻害剤の効果予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度の研究テーマは「口腔癌において、ニコチンの、EGFR/Aktシグナル伝達及びEMT・癌幹細胞様特性に与える影響についての解析」である。すなわち、①ニコチン短期曝露の実験と②ニコチン長期曝露の実験を予定した。 ①ニコチン短期曝露の実験:Ca9-22細胞にニコチンを添加することにより、ニコチンのEGFR/Aktシグナル伝達に与える影響を解析する。Ca9-22細胞において、ニコチン添加 によるEGFRおよびAkt活性化に与える影響をWestern blot法により燐酸化型EGFRおよび燐酸化型Akt蛋白発現を計測することにより解析する。この実験によってニコチンがEGFR及びAktを活性化させることが明らかになる。またα7nAChR特異的siRNAを移入してα7nAChRをKnock downさせることにより、ニコチン添加によるEGFRおよびAkt活性化が阻害されれば、ニコチンのEGFRおよびAkt活性化作用はα7nAChRを介しての作用であることが明らかになる。 ②ニコチン長期曝露の実験:ニコチンをCa9-22細胞に3か月間曝露させニコチン長期曝露株を樹立させ、ニコチン長期曝露によりSnail, Twist, VimentinのmRNAの発現が誘導されるか否かを解析する事によりEMTが誘導されるかどうか、またCD44, Oct3/4, Nanogの mRNAの発現及びスフェア形成能等を解析する事により癌幹細胞様特性が誘導されるか否かを明らかにする。 結果として、口腔癌におけるEGFR阻害剤の効果予測因子として癌細胞自身のPIK3CA遺伝子変異のみならず、喫煙歴等の癌微小環境が挙げられる事が示唆された。(口腔癌におけるEGFR阻害剤の効果予測因子、BIO Clinica34巻9号921-923(2019.08)参照)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症流行による病院管理等により、研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、実験結果を出すことから始める。、①ニコチン短期曝露の実験と②ニコチン長期曝露の実験により、ニコチンが口腔癌にどのような影響を与えるのかを調べる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行による病院管理等により、研究が遅れている。この遅れを、2020年度、実験を施行することにより、とりもどす予定である。
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Research Products
(5 results)