2023 Fiscal Year Annual Research Report
唾液検査に応用する口腔癌バイオマーカーをメタボローム解析と多重蛍光染色で検証する
Project/Area Number |
19K10367
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
片倉 朗 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10233743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 圭亮 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (10506926)
別所 央城 東京歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30433973) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / コリン / コリントランスポーター / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん研究分野でコリンと細胞増殖能の関連性が注目されている。我々は以前に、健常者と比較して口腔扁平上皮がん患者の唾液中にコリンが有意に多く含まれることをメタボローム解析により明らかにいる。コリンは細胞膜の合成に必須であり、コリントランスポーター (cholinetransporter-like protein1:CTL1) によって細胞内へ取り込まれるが、近年、様々ながんにおいてコリンの代謝過多に伴うCTL1と細胞増殖能の関連性が注目されている。しかし、口腔がん分野における詳細な報告は多くない。本研究では、口腔扁平上皮がん組織におけるCTL1の局在を確認し、CTL1と細胞増殖能との関連を検証した。まず、in vitroとしてヒト口腔扁平上皮がん細胞株(HSC-3, HSC-4, Ca9-22)でのCTL1の発現および局在を多重蛍光染色およびWestern blottingにより確認した。in vivoとして4NQO誘発舌がんモデルラットを作製し、口腔扁平上皮がん組織内でのCTL1の発現をKi67等とのマーカーと多重蛍光染色により確認した。これらの結果より、我々は口腔扁平上皮がん細胞ならびに口腔扁平上皮がん組織でCTL1の高発現を明らかにし、細胞増殖能を有する細胞ではCTL1の産生増加や細胞膜への輸送亢進に関連している可能性を示唆した。 さらに、CTL1以外に口腔癌のバイオマーカー候補となるタンパク質の検索のため、口腔癌患者ならびに健常者の唾液および血清を用いて網羅的プロテオーム解析を実施した。その結果、口腔癌患者の血清ではup regulatedまたはdown regulatedを認めたタンパク質は計10あり、口腔癌患者の唾液中においても計10のタンパク質でup regulatedまたはdown regulatedを認めた。
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