2019 Fiscal Year Research-status Report
Basic research on novel therapeutic strategies for metal allergy with oral tolerance
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19K10371
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
熊谷 賢一 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10518129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 良樹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70247336)
鈴木 隆二 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 臨床免疫研究室, 室長 (70373470)
重松 宏昭 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (80737198)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 金属アレルギー / 経口免疫寛容 / T細胞受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の歯科用金属の汎用性および多様性によって歯科用金属が関与する金属アレルギーの発症が増加傾向にあるが, 口腔内での金属アレルギーの発症に関わるT細胞を主体とした遅延型免疫応答の詳細については不明であり, その病態解明は急務な課題とされている. 本研究では世界に先駆けて口腔内での金属アレルギー動物モデルを確立し, 口腔内の金属アレルギーに関わるT細胞を中心とした免疫動態および口腔内の菌叢変化を明らかにしていく. また, 経口免疫寛容を誘導することで口腔粘膜における金属-細菌叢-生体防御系の関連性の観点から免疫応答制御機構を解明し, 金属アレルギーに関する新規診断・治療体系の礎となることを目的としている. 本年度では下記の実験を施行した. 1. 口腔内金属アレルギーマウスモデルの作製と口腔粘膜の腫脹計測:雌のBalb/c (6週齢)両側耳下部周囲にチタンおよびニッケル溶液およびアジュバンドとしてLPSを皮内注射して感作成立後, 両側頬粘膜部に金属溶液単体を注射することで誘導を行い, 口腔内金属アレルギーマウスモデルを作製した. 誘導後の口腔粘膜の腫脹を計測し, 経時的に観察を行った. 2. 検体採取・定量PCR解析・免疫組織化学的検討:口腔内金属アレルギーマウスモデルの口腔粘膜組織から検体を採取しRNA 安定化試薬に浸漬し, その後Total RNA の抽出 cDNAの合成を行った. 各種サイトカイン・ケモカインの遺伝子発現解析を定量PCR法で行った. また, CD3/CD4/CD8による免疫組織学的検討からT 細胞の性状や機能解析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔内金属アレルギーマウスモデルの作製については順調に進行しており, 口腔内での遅延型アレルギーも観察されており実験系については確立されていると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
特異的T細胞および自然リンパ球のTCRレパトア解析:作成した口腔内金属アレルギーモデルマウスにおける口腔粘膜組織中のT細胞の性状解析を実施する. 具体的には次世代シークエンサーを用いて,各TCRVファミリーの相対存在率・CDR3領域のシークエンス解析ならびに存在頻度を算出(網羅的TCRレパトア解析)し, TCR遺伝子発現ライブラリの構築を図ることで金属特異的T細胞や自然リンパ球の存在頻度を特定する.
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Causes of Carryover |
作製した金属アレルギーモデルマウスの作製匹数が予定よりも少なくなったため, 解析代に余剰金が生じた. 今年度では, 検体数を増やして特異的T細胞および自然リンパ球のTCRレパトア解析を実施していく予定である.
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