2019 Fiscal Year Research-status Report
成長期の鼻呼吸障害における筋機能の変調が顎顔面発育に影響を与えるか
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19K10377
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小海 暁 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50431937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡 一平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10431941)
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
加藤 千帆 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 特任助教 (80706987)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 鼻閉 / 成長期 / 睡眠時無呼吸 / 筋機能訓練 |
Outline of Annual Research Achievements |
呼吸障害は、様々な生理機能の異常を引き起こす。筋機能異常の観点から、口呼吸に関する研究が行われ、舌・口輪筋をはじめとした口腔・顔面筋の機能制御不全を中心とした力学的バランスの崩壊が明らかにされた。一方、口呼吸は、鼻呼吸障害の病態に伴う呼吸動態としての概念から、耳鼻科および呼吸器内科領域においては鼻閉と関連づけられる。このような鼻閉による症状は、上部気道疾患だけではなく、高次脳機能への影響、顎顔面発育への影響などを引き起こす。特に、小児の口呼吸は、顎顔面の成長に影響を与えるだけでなく将来的に睡眠呼吸障害の原因にもなることから、歯科矯正学の分野においても、鼻呼吸の重要性が示唆されている。応募者はこれまで、鼻呼吸障害と口腔・顔面領域における末梢感覚受容器・反射および大脳皮質・海馬などの中枢機能との関連について検討を行ってきた。その結果、鼻呼吸障害に伴い、口腔領域体性感覚系神経回路の再編成、海馬BDNF/TrkBシグナル制御不全、舌運動制御メカニズムの変調などの末梢中枢連関の崩壊が明らかになった。一方、筋機能に関しては、口腔周囲筋における遅筋の速筋化が報告されている。しかし、詳細なメカニズムについては解明されていない。そこで応募者は、「呼吸機能低下が筋機能に与える影響のメカニズムについて口腔生理学および生化学を指標として解明し、矯正歯科治療中に行う鼻呼吸指導および筋機能訓練等の論拠となる生理学的な基盤を構築する」ことを研究の全体構想として掲げ、「成長期鼻呼吸障害に伴う筋機能の変調について生理学、組織学および生化学手法を用いて多面的に解明する」ことを本研究課題の具体的な目的として遂行する。 本年度は、成長期ラットを実験動物とし、成長期における鼻閉ラットを作成し、咀嚼野を刺激し、顎二腹筋・咬筋の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成長期ラットに鼻閉を行い、5,7,9,11週齢において咀嚼野(P area)を刺激し、顎二腹筋・咬筋の筋活動及び顎運動を計測した。この結果を、「Functional analysis of rhythmic jaw movements evoked by electrical stimulation of the cortical masticatory area during low occlusal loading in growing rats.」として論文発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究結果を踏まえ、成長期ラットに鼻閉を行い、5,7,9,11週齢において咀嚼野(A area)を刺激し、顎二腹筋・咬筋の筋活動及び顎運動を計測することを予定している。また、筋機能の変調について組織学および生化学手法を用いて解明する方策を検討していく。
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Causes of Carryover |
研究を始めるにあたり、既に持っている物品に関しては購入しなかった。今後、研究の進捗と共に助成金を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)