2021 Fiscal Year Research-status Report
ストレスが食道の知覚過敏と覚醒時ブラキシズムに及ぼす影響の解明
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19K10390
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
福嶋 美佳 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (30828190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (80295807)
前田 綾 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (10457666)
菅 真有 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50779973) [Withdrawn]
大賀 泰彦 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (40780002)
井戸 章雄 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30291545)
上村 修司 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 准教授 (60448561)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 覚醒時ブラキシズム / 胃食道逆流症 / 精神的ストレス / 咬筋 / 自律神経 / 胃食道逆流 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、覚醒時ブラキシズムの有力な危険因子として、胃食道逆流症が報告されており、また、精神的ストレス(以下、ストレス)も危険因子の一つとされている。 2019年度は、胃食道逆流をモデルとした食道内酸刺激やストレスを惹起する計算タスクによる介入、および両者の同時介入を行い、覚醒時の咬筋活動や自律神経活動に与える影響について検討した。健康な成人男性12名に対し、異なる2条件のタスク(安静時として読書、ストレス負荷時として計算)を課し、食道内に注入なし(以下、非注入)、生理食塩水注入(以下、生食注入)、0.1Nの塩酸注入(以下、酸注入)の3条件の介入を組み合わせた計6条件を比較した。その結果、安静時において、酸注入時の咬筋活動は生食注入時と比較して有意に増加し、副交感神経活動は有意に減少した。生食注入時において、ストレス負荷時の咬筋活動と交感神経活動は安静時と比較して有意に増加し、副交感神経活動は有意に減少した。また、二元配置分散分析において、咬筋活動に対する単純主効果は、酸注入は有意であったが、ストレス負荷は有意ではなかった。自律神経活動に対する単純主効果は、酸刺激とストレス負荷共に副交感神経活動にのみ有意であった。なお、ストレス負荷と酸注入に交互作用は認められなかった。以上より、ストレスと酸刺激は、いずれも咬筋活動を増加させ、それらには自律神経の関与が示唆されたが、酸刺激の方がこれらに与える影響が大きかった。 2020年度は、心理的および身体的症状のスコアを対照群と胃食道逆流症患者群間で統計的に比較した。上部消化管症状は、痛みに関連する身体症状と関連しており、心理的要因は、上部消化管症状に間接的に関連している可能性があることが示唆された。 現在、ストレス感受性や心理社会的因子、食道の知覚が、咀嚼筋や自律神経活動に与える影響等について検討するため、介入研究を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、食道知覚の影響を評価の手技を確立し、ストレス感受性や心理社会的因子の影響、唾液による内分泌系や自律神経系の関与についての評価を行うため、データの採得と同時に解析を行っているが、内視鏡検査および食道知覚の調査の被験者確保がやや困難であり、目標とする人数に達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は目標とする人数に達するまで継続してデータの採得および解析を行い、結果がまとまり次第国際誌に論文投稿予定である。被験者の確保が困難であると判断した場合は、研究分担者の所属分野である消化器内科の患者に研究協力の依頼をするなどして被験者数を可能な限り早く確保する。
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Causes of Carryover |
介入研究がやや遅れているため。 今後は、介入研究に要する薬剤や器具等の購入、解析費用、謝金等に使用する予定である。また、論文執筆や学会発表等の研究成果発表にも使用予定である。
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Research Products
(3 results)