2020 Fiscal Year Research-status Report
幼少期に身体抑制を経験したラットの成長後のストレス反応性亢進を緩和できるか。
Project/Area Number |
19K10396
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉原 俊博 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (60261319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 昇平 北海道大学, 大学病院, 講師 (00374546)
高崎 千尋 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (60451449)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 身体抑制 / ストレス反応性 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
幼少期に身体抑制や母子分離を経験したラットは成長後にストレス反応性が亢進する。最近、母子分離後、飼育ケージを広くしたり、遊具設置など生活環境を良 好に整えることで、成長後のストレス反応性亢進を緩和できることが報告されている。本研究の目的は、幼少期に身体抑制を経験したラットは、生活環境を整え ることで成長後のストレス反応性を緩和できるという仮説を検証することである。2020年度は以下の3つの実験群を作成し、実験(3、4)を行った。・実験 群:生後1週齢時に1日1回30分の身体抑制を7回行い、続けて次の1週間、広く遊具を設置した良好な環境で飼育し、その後、各ラット毎のケージで飼育 した群・対照群1:生後1週齢時に1日1回30分の身体抑制を7回行った後、各ラット毎のケージで飼育した群・対照群2:身体抑制を一切経験しない群。実験3.「幼少期身体抑制を経験後、環境を良好に整えることにより、成長後の大脳辺縁系扁桃体、海馬、脳幹および視床下部グルココルチコイドレセプター(以下、GR)発現量に違いはあるか?」成長後、ラット脳を採取し、凍結ミクロトームを用いて、扁桃体、海馬、脳幹、視床下部を含む連続切片をそれぞれ作製し、in situ hybrid yzationによりGRの発現を検出・定量化し、3群間で比較した。実験群では、2つの対照群に比較して、扁桃体において、GRの発現量が高かった。実験4.「幼少期身体抑制を経験後、環境を良好に整えることにより、成長後の睡眠および摂食行動リズムに違いはあるか?」成長後、行動量(明期の睡眠と暗期の摂食行動)をテレメーターシステムにより測定し、睡眠および摂食行動に費やす時間を3群間で比較した。実験群では、2つの対照群に比較して、明期の睡眠と暗期の摂食行動の違いが明瞭に示されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染防止のため、実験計画の若干の変更があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染防止のため、実験計画の若干の変更があったが、次年度その実験を追加することで、当初の研究計画に到達できる予定である。
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Causes of Carryover |
(次年度使用額が生じた理由)新型コロナウイルス感染拡大防止のため、実験の内容に変更が生じたことと、学会が中止になり、研究経過を発表できなかったため、当初予定されていた物品費と旅費の支出が少なかったため。 (使用計画)次年度において、実験の内容を多くするので、物品費で使用される予定である。
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