2021 Fiscal Year Research-status Report
幼少期に身体抑制を経験したラットの成長後のストレス反応性亢進を緩和できるか。
Project/Area Number |
19K10396
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉原 俊博 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (60261319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 昇平 北海道大学, 大学病院, 講師 (00374546)
高崎 千尋 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (60451449)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 身体抑制 / 生活環境 / ストレス反応性 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
幼少期に身体抑制や母子分離を経験したラットは成長後にストレス反応性が亢進する。最近、母子分離後、飼育ケージを広くしたり、遊具設置など生活環境を良好に整えることで、成長後のストレス反応性亢進を緩和できることが報告されている。本研究の目的は、幼少期に身体抑制を経験したラットは、生活環境を整えることで成長後のストレス反応性を緩和できるという仮説を検証することである。2021年度は以下の3つの実験群を作成し、実験(5、6)を行った。・実験群:生後1週齢時に1日1回30分の身体抑制を7回行い、続けて次の1週間、広く遊具を設置した良好な環境で飼育し、その後、各ラット毎のケージで飼育した群・対照群1:生後1週齢時に1日1回30分の身体抑制を7回行った後、各ラット毎のケージで飼育した群・対照群2:身体抑制を一切経験しない群。実験5「幼少期身体抑制を経験後、環境を良好に整えることにより、成長後の生活リズムを司る時計遺伝子の発現量に違いはあるか?」成長後、ラット脳を採取し、視床下部視交叉上核(以下、SCN)を含む凍結切片を作製し、in situ hybridyzationにより時計遺伝子(per1)の発現を定量化し、3群間で比較した。実験群は2つの対照群に比較して、日中と夜間の時計遺伝子の発現量の差が大きく、特に夜間の発現量が多かった。実験6「幼少期身体抑制を経験後、環境を良好に整えることによって、成長後の行動抑制に違いはあるか?」Forced swim testを用いて行動抑制を評価した。一般的に、成長後の1日目に、ラットをタンク中で15分間泳がせると、はじめは水泳、よじ登りといった逃避行動が起こるが、次第に動きが少なくなり、無動が多くなる。2日目(24時間後)に、ラットを再びタンク中で5分間泳がせ、行動を録画し、無動の行動の割合を算出し、3群間で比較する。実験群は2つの対照群に比較して、逃避行動に比較して無動行動の割合が多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年は研究計画の最終年度であり、このまま研究を進めながら、研究の総括を行いたい。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナの影響で実験回数を減らす必要があり、実験に使用する試薬などの購入が予定より少なかったため。来年度は、今年度行えなかった実験も追加して行うため、「次年度使用額」を試薬の購入に充てる予定である。
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