2023 Fiscal Year Research-status Report
三次元顔貌データを用いた先天異常疾患特異的顔貌の解析手法の確立
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19K10399
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
辻 美千子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (90345281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 祥行 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 感覚器・形態外科部, 歯科医師 (70251535)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 先天異常疾患 / 特異的顔貌 / 三次元顔貌データ |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム解析の飛躍的発展により、先天異常疾患の遺伝情報の解明が進んでいる一方、先天異常疾患のフェノム(形態異常)の大部分はスペクトラム(連続形質)(例:つり上った眼、低い鼻、への字の口など)であるために、主観的な表現に終始してしまい、客観的な評価法が未だ確立されていないのが現状である。また先天異常疾患の頻度は極めて低いため、実際に遭遇する機会は少なく、形態異常などの臨床症状を正確に把握できる医療従事者は極めて少ない。よって、その点からも先天異常疾患の形態異常に関する記述は曖昧で、正確でないことも多い。一方で、先天異常疾患の約70%は頭蓋顔面領域に形態異常を認め、疾患それぞ れに特有の症状を呈していることが知られており、頭蓋顔面領域の形態異常情報を客観的つまり定量的に把握することは大変重要である。取得した先天異常疾患 の三次元顔貌データから頭蓋顔面領域の三次元情報を解析し、疾患特有の形態異常を定量的に抽出すること、その情報から疾患特有の顔貌の識別法を開発し、顔貌から臨床診断を行う一助とすることを目的とする。現在、当科に多数来院しているダウン症候群、ターナー症候群、鎖骨頭蓋異形成症に加え、トリーチャーコリンズ症候群、頭蓋縫合部早期癒合症など顎顔面頭蓋に疾患特有の特徴を有すると考えられる先天異常疾患患者の三次元顔貌データの取得を行い、コロナ感染により通院の途絶えた先天異常疾患患者数のサンプル数を増やす努力をしている。2024年度はそれらの三次元顔貌データから、頭蓋顔面領域の三次元情報を解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響がまだ続いており、全身的な疾患を有する先天異常疾患患者は来院が途絶える傾向にあり、データの取得が遅れている状況であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
ダウン症候群、ターナー症候群、鎖骨頭蓋異形成症に加え、トリーチャーコリンズ症候群、頭蓋縫合部早期癒合症などの顔面頭蓋部に疾患特有の特徴を持つ様々な先天異常疾患患者のデータ取得を可能な限り行い、サンプル数を増やしたのちに、疾患別の形態異常の定量的な特徴因子の抽出を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍にて先天異常疾患患者が当院に来院されずに、計画通りのサンプル数が集まらなかったため。
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