2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mitochondrial activity regulation linked to the conversion from cell proliferation to differentiation
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19K10406
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 大樹 九州大学, 歯学研究院, 助教 (30452709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 浩 九州大学, 歯学研究院, 助教 (00421313)
高山 扶美子 九州大学, 大学病院, 助教 (20795950)
増田 啓次 九州大学, 大学病院, 講師 (60392122)
廣藤 雄太 九州大学, 歯学研究院, 助教 (80759746)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歯髄幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児口腔医学・小児歯科学が対象とするのは、胎児から新生児、乳幼児、学童、ティーンエイジャーである。彼らは成長・発育途上にあり、そこでは組織・器官の細胞増殖が起こり、やがて分化することで成熟し成人となる。この増殖から分化への転換に、ミトコンドリア活性の亢進が関与していることが明らかにされつつある。ミトコンドリアから産生されるATPや活性酸素種による、遺伝子の発現変動や細胞の形態変化が、細胞の増殖から分化への転換に必須であると考えられている。分化に伴いミトコンドリア活性は亢進することから、増殖から分化への転換時特異的なミトコンドリア活性制御機構の存在が考えられているがその詳細は明らかにされていない。この機構を明らかにするため、本研究では高増殖能と多分化能を持つヒト脱落乳歯由来幹細胞(SHED)を用いて「細胞増殖時ならびに分化時におけるそれぞれのミトコンドリア活性制御因子の探索」を行い、これらを比較することで「増殖から分化への転換時特異的なミトコンドリア活性制御機構の解明」を目指す。本研究の成果は、組織・器官再生医学の基盤研究促進のみならず、ミトコンドリア機能低下が病因であるミトコンドリア病の創薬を促進すると考える。2019年度はSHEDの神経細胞と骨芽細胞への分化、神経細胞と骨芽細胞の分化マーカーの発現解析、ミトコンドリアの活性定量、ミトコンドリアの形態解析、網羅的な遺伝子発現解析のためのRNAサンプルの回収を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度末までに網羅的な遺伝子発現解析を行う予定であったが、2019年度はRNAサンプルの回収までとなった。2020年度は網羅的な遺伝子発現解析を行い、ミトコンドリア活性制御因子の探索を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的な遺伝子発現解析を行い、細胞増殖時ならびに分化時におけるそれぞれのミトコンドリア活性制御因子を探索する。候補因子の遺伝子発現解析、過剰発現とノックダウンによる細胞分化ならびに増殖に与える影響の解析を行う。
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Causes of Carryover |
年度末までに網羅的な遺伝子発現解析を行う予定であったが、2019年度はRNAサンプルの回収までとなったため。
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