新規大規模歯科データベース構築の有益性に関する定量的評価

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K10419
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 大野 幸子 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (20797237)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 井田 有亮 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (30755947)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 歯科レセプト / 臨床疫学

Outline of Annual Research Achievements

近年、Evidence based Medicine (EBM)実践の重要性が高まっているものの、一般歯科診療の多くは限定的エビデンスに基づく。その一因として、歯科診療の多くは個人診療所で行われているため、大規模臨床研究によるエビデンス創出が困難であることが挙げられる。一方、医科ではレセプトデータ等の医療ビッグデータを用いた大規模臨床研究が世界的にも盛んになりつつあり、EBMの進展に大きく貢献している。申請者らはこのようなデータを利用し、治療効果、疾病の危険因子、重症化因子、予後予測、費用対効果等をテーマとした臨床研究を行ってきた。しかしながら、既存のデータベースは医科情報に対して最適化されており、歯科の詳細情報を含む大規模データベースは世界にも存在しない。医科データベース研究の著しい発展を鑑みるに、全国を網羅する大規模歯科データベース構築により、上記をテーマとした大規模な歯科臨床研究の飛躍的増加と歯科EBMの更なる進展が見込まれる。本研究の目的は、歯科情報を一部含む既存データベースを用いて歯科臨床研究を行い、全国を網羅する大規模歯科データベースの有益性を定量的に評価検討するとともに、その保持すべき情報を明らかにすることである。
2020年度は、レセプトデータを用いた歯科臨床疫学研究の妥当性を担保するべく、歯科レセプトの病名及び診療行為のvalidation studyを行った。また、既存の歯科レセプトを含むデータベースを用いて子ども医療費助成が歯科受療行動及び口腔の健康に与える影響を定量的に分析した。両研究は現在論文投稿中である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルスの流行により、当初予定したオンサイトでの解析が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

引き続き異なるデータベースを用いて歯科臨床疫学研究、validation studyを行う予定である。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの流行により予定していた学会等が中止されたため。