2019 Fiscal Year Research-status Report
災害時要配慮者に対する多職種が連携した「食べる支援」体制の構築
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19K10420
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中久木 康一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20436629)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 災害歯科保健医療支援 / 災害時要配慮者 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「災害時要配慮者に対する多職種が連携した「食べる支援」体制の構築」を行うにあたり、まずは他職種に「災害時の「食べる」トリアージ」とも呼べる「食べる支援」に関する統一方針案を提示し、理解を得て、意見をいただく必要があるため、3回の検討会を開催した。 8月17日には、実際に平成28年熊本地震の際に共に住民の支援にあたった多職種とともに、「災害時の食べる連携に向けた検討会~多職種「食べる支援」の聞き取りシナリオをつくろう!~」を開催した。歯科医師6名、歯科衛生士4名、作業療法士3名、理学療法士2名、言語聴覚士1名、管理栄養士1名、マスコミ2名、県外2名(歯科医師)と22名の多職種の参加のもと、それぞれの立場での経験からの意見を集約した。 9月14日には愛知県・三重県において災害時の歯科対応を担う歯科医師会・歯科衛生士会、そして歯科大学を中心とした関係者に参加いただき、看護師や言語聴覚士なども含めてのグループワークを用いたワークショップ「災害時の歯科支援のマネジメント~歯科口腔アセスメントの情報を、どう活かすのか~」を開催した。愛知県・三重県の行政・歯科医師会・歯科衛生士会・大学歯学部・医大歯科・看護師・栄養士・言語聴覚士・ケアマネジャーら63名の多職種の参加を得て、今後の連携に向けての具体的な検討を行った。 10月23日には、日本公衆衛生学会(高知)に全国から集まった災害時の保健医療に関係する歯科職を中心とした40名弱と共に、自由集会「公衆衛生における歯科保健を考える-災害時の話題を中心に-」で意見交換した。地域レベル、もしくは日本レベルでどのように連携がとれるか、活発な討論が行われた。 これらの意見を踏まえ、2月21には日本災害医学会(神戸)のパネルディスカッションに多職種とともに登壇し、大規模災害時の歯科保健支援における連携の課題に関して共有し議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度の目標は概ね進行でき、多職種との検討のもとで「災害時の「食べる」トリアージ」案を作成できたが、災害時要配慮者の「食べる支援」に関わる各分野・団体のうち、具体的な検討を呼びかけるに至らなかった団体もあった。 これらの団体には、令和2年度に呼びかけ、その災害時対応担当者らの意見をいただき、更に、各分野・団体から見て理解しやすく連携しやすい「大規模災害時における「食べる支援」に関する統一方針」となるようにしていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、今年度行ってきた提案および検討を、広く「食べる支援」に関わる各分野・団体の災害時対応担当者らと連絡・調整しながら進めていき、更に、災害時に「食べる」問題が起こりやすい高齢者や障害者の方々(災害時要配慮者)に平常時から対応されている団体(ex. 全国老人保健施設協会、日本介護支援専門員協会、全国在宅療養支援診療所連絡会、全国手をつなぐ育成会連合会、など)に説明して共有し、理解を得ていきたい。実際に運用しての評価も行いたいところではあるが、新型コロナ感染症の蔓延にて介入が困難となっている高齢者介護施設なども多く、状況をみて検討していく。 最終的には、検討を加えて改訂した「大規模災害時における「食べる支援」に関する統一方針」を多職種・多団体で統一し、研修・教育に生かしていくようにする。
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Causes of Carryover |
各地での検討会などの開催における端数が発生したため
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Research Products
(2 results)