2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K10424
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
玉田 泰嗣 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (50633145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 誠 岩手大学, 理工学部, 准教授 (80404119)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 摂食嚥下リハビリテーション / 嚥下モニター / 頸部聴診法 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会である日本において、要介護者に対する介護者割合の減少が社会問題となっている。摂食嚥下リハビリテーションは、各種スクリーニング検査やVE・VF等の精密検査を用いた摂食嚥下機能の評価を元に立案された治療計画に沿って行われる。代表的なスクリーニング検査の1つである頸部聴診法は、誤嚥の有無の検知において極めて高い値を示しており、他のスクリーニング検査と異なり、実際の摂食時に行うことで、食べた物が喉に残っていないかなどもスクリーニングにも用いることができる。摂食嚥下障害がある場合は、一口量の制限、複数回嚥下および頸部回旋などを用いて摂食することが多いが、脳梗塞後の麻痺や認知期の障害により指示通り摂食することができず、摂食時のモニタリングや介助が必要な場合が多い。しかし、入院患者に対する医療スタッフ割合が高い大学病院にあってもマンパワーの不足、介助者の知識・技術不足などを理由に摂食時の正確なモニタリングや介助が行われない場合があり大きな問題点となっている。 本研究では、喉頭マイクより聴取した健常な高齢者および嚥下障害をもつ高齢者の嚥下音・呼吸音をデジタル処理後に周波数解析し、抽出した信号パターンを嚥下内視鏡検査の結果を基に正解値として人工知能に学習させる。これにより、摂食時における嚥下の状態および異常時の指示をリアルタイムで患者および介助者に告知するシステムを開発している。このシステムの開発により、摂食時における介助者のマンパワー不足および誤嚥リスクのある患者に対し正しく介助できる医療職を育成する教育問題の解決に繋げる。 現在は、いわゆる介護食などの食形態調整に用いられるトロミ剤の濃度判別、1回嚥下量の判別が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象となる入院している高齢患者では、患者の家族にも研究の概要説明を行ってから研究参加の同意をもらうことが多い。コロナ感染防止を理由とする患者家族の来院制限に伴い、患者家族に説明する機会が少なくなっており、研究対象者の確保を計画以上に進展させるのは困難な状況である。 一方で、装置の改良および人工知能プログラミングは順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
飲食物に付与するトロミの濃度、1回嚥下量の判別に加えて、食塊の誤嚥・咽頭残留の判別を可能にし、その判別精度向上に向けて研究を進展する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していたデータ量よりも、多くのデータを用いた解析が必要となり、データ量に見合った解析用PCの購入を見送っていたため次年度使用金額が生じた。データ総量の目途がたった時点でPCを購入し、人工知能プログラミング等を行う予定である。
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