2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new personal identification method using individual differences in palatal morphology
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19K10443
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柳 文修 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50284071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 俊輔 岡山大学, 大学病院, 助教 (00759681)
岡田 亜由美 岡山大学, 大学病院, 医員 (30812755)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 個人識別 / 口蓋形態 / CT / 相同モデル / 主成分分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究計画における到達目標は,「CTデータ(DICOMデータ)の閾値調整について再検討を行い,軟組織が残った状態ではなく,骨形態そのものを再現できるよう検討を行っていく」,であった.まず,DICOMデータから作成した3次元画像をモニター上に表示させ,手動で閾値調整を行い,最適と思われる数値の設定を試みた.設定した数値をもとにDICOMデータから骨形態を自動で抽出し,STLデータの形態再現性とテンプレートの適用に耐えうる表面性状が得られているかを確認した.その結果,単一の数値ではサンプルごとの相違(主にCT値)に対応できず,個々に手動での微調整が必要であった.通常,頭頚部領域の画像診断においては,観察対象によって硬組織用と軟組織用,2種類のデータを使い分けるが,STL化に使用するDICOMデータについては,軟組織用DICOMデータを用いることで良好な結果が得られた.一方,画一的に作成したSTLデータにテンプレートを使用した場合,通法の1方向からの投影方法では,分析可能な相同モデルの作成が難しい場合があり,小孔の目立つSTLデータでは,複数方向からの投影が必要であった.つまり,STLデータの作成か相同モデルの作成かのどちらかに作業量と時間が必要となり,膨大なサンプル数が必要となる社会実装に向けたデータベース化を考慮した際の有用性については課題を残すこととなった. 本申請課題では同一性識別の一手法として,相同モデル化技術を応用しているが,近年の高スペックPCの低廉化と人工知能の利用により,これまで演算処理が簡単ではなかった大容量データの利用,蓄積が可能となってきている.相同モデル化技術による低容量化で得られる利点と相同モデル作成の作業量とのバランスを再検討し,形態の同一性識別における他手法を模索する必要があると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの蓄積は十分ではないが,変更した研究手法の検討がほぼ終了している.最終目的である社会実装を想定した際の本研究課題の問題点の抽出,解決法の具体的検討に段階が進んでいる.また,実施期間を延長したことで,本領域のさらなる発展に向けた取り組みを開始している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた研究手法と到達目標に一部変更を加え,データ加工の再現性に注力することで一定の成果は見込めるものと考えている. 最終年度は,CTデータ(DICOMデータ)の閾値調整について再検討を行い,軟組織が残った状態ではなく,骨形態そのものを再現できるよう検討を行っていく.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症対策は緩和されつつある状況にあったが,病院勤務の関係上,移動が懸念される場合があり,旅費相当分の多くが未使用となったため,次年度使用額が生じた.また,購入済みの既存ソフトウェアでのデータ処理と解析がメインであったため,サブスクリプションによるソフトウェアの利用は停止したことなどから,研究期間を通して,次年度使用額が生じている.無駄な支出は排除し,適正に使用できている.来年度は新規に利用可能な識別手法を検討すべく,情報収集と意見交換のための旅費としての使用を検討している.
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