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2019 Fiscal Year Research-status Report

バルプロ酸曝露ラットの脳神経発生異常の解明~発達障碍児の食の困難の解決を目指して

Research Project

Project/Area Number 19K10451
Research InstitutionOhu University

Principal Investigator

鈴木 礼子  奥羽大学, 歯学部, 准教授 (90333723)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 今井 元  奥羽大学, 歯学部, 准教授 (90291343)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsバルプロ酸 / 頭部神経堤細胞 / 脳神経発生異常 / 脱上皮化 / 軸索伸長
Outline of Annual Research Achievements

バルプロ酸(VPA)には、胎児の発達障碍や頭顎顔面の先天奇形の誘発リスクと、遺伝子転写のON/OFFに影響する作用があることが報告されている。一方、頭顎顔面の発生では、頭部神経堤細胞(NCC)の形成・移動・分化が重要である。本研究の目的は、ラット母獣にVPAを投与し、頭部NCCの形成や移動を制御する遺伝子/転写産物の局在変化が、摂食・嚥下に関わる頭部NCC由来の脳神経ニューロンの発生に及ぼす影響を解明することである。
方法として、SDラットの母獣 (胎仔の胎齢9.4日(E9.4):頭部神経堤形成期)を用い、実験群にはVPAを、対照群には生理食塩水を単回投与した。その後、麻酔下の母獣から胎仔を摘出し、E9.75の頭部NCCの細胞追跡実験(in vitro)と、E9.75-E12.75における発生関連因子の発現等のin situ ハイブリダイゼーション/免疫染色による解析(in vivo)を行った。その結果、in vitro実験において、VPA投与群では、中脳後方から後脳前方で脱上皮化する神経堤の細胞が減少し、その移動も阻害された。一方、後脳後方で神経堤の脱上皮化は阻害されず、NCCは本来より頭方の第1鰓弓/前頭鼻隆起まで移動した。in vivo実験においても、VPA投与群では、中脳後方から後脳前方において、脱上皮化/移動中のNCCマーカーである抗slug抗体陽性細胞が減少し、一方、正常では後脳後方から第2鰓弓へ移動するNCCのマーカーであるHoxa2 発現細胞が、本来より頭方の前頭鼻隆起/第1鰓弓で観察された。さらに、頭部NCC由来脳神経の軸索伸長とそのガイダンス因子の時空間的発現にも異変を生じた。
これらの結果から、頭部神経堤形成期におけるVPA曝露が、頭部NCCの形成と移動を攪乱し、それが頭部NCC由来脳神経の機能的ネットワーク形成を撹乱する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

所属研究機関内における実験室の引越し作業に伴い、実験ができない期間が生じたため。

Strategy for Future Research Activity

(1)頭部神経堤形成期におけるバルプロ酸(VPA)曝露が、頭部神経堤細胞(NCC)の形成と移動をどのように攪乱するのかを検証する。
方法として、SDラットの母獣 (胎仔:E9.4)を用いて、実験群にはVPAを、対照群には生理食塩水を単回投与し、その後、VPA投与群と対照群のラット胚(E11.75)において、移動中の頭部NCCのマーカーであるSox10の局在を、whole mountの in situ ハイブリダイゼーション/免疫染色や、リアルタイムPCR法などを用いて解析する。
(2)VPAによる頭部NCC由来の脳神経の機能的ネットワークがどのように攪乱されるのかを検証する。
方法として、E9.4 VPA投与群、及び、対照群のラット胚(E11.75-12.75)において、未熟/成熟ニューロンのマーカーの局在変化など、軸索伸長阻害状況や、軸索ガイダンス因子の時空間的発現攪乱状況を、whole mountの in situ ハイブリダイゼーション/免疫染色や、リアルタイムPCR法などを用いて解析する。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由は、以下の2つである。すなわち、(1)所属研究機関内における実験室の引越し作業に伴い、実験ができない期間が生じたため、及び、(2) COVID-19の感染拡大、ならびに大規模なイベントの中止・延期・規模縮小を要請する政府の基本方針に鑑み、参加を予定していた学会が誌上開催となり、旅費の未使用が生じたため、である。この次年度使用額は、令和2年度における消耗品の購入に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 先天性摂食・嚥下障碍の発症機序の解明~頭部神経堤細胞の形成・移動との関連性を探る~2020

    • Author(s)
      今井 元、鈴木礼子
    • Organizer
      第125回日本解剖学会総会・全国学術集会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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