2021 Fiscal Year Research-status Report
幼児期の食習慣が学齢期の口腔機能発達に及ぼす要因分析とスクリーニング方法の開発
Project/Area Number |
19K10452
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
内海 明美 昭和大学, 歯学部, 講師 (40365713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 摩理 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (20445597)
渡邊 賢礼 昭和大学, 歯学部, 講師 (20611180)
石崎 晶子 昭和大学, 歯学部, 講師 (00710386)
弘中 祥司 昭和大学, 歯学部, 教授 (20333619)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔機能発達不全症 / 咀嚼機能 / 食習慣 / 幼児期 / 学齢期 / 偏食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幼児期の食習慣が学齢期のかむ・飲み込むといった口腔機能に及ぼす影響を明らかにし、口腔機能発達不全症を早期にふるい分けする(スクリーニング)方法を確立することを目的とする。 「口腔機能発達不全症」とは「食べる機能」、「話す機能」、その他の機能が十分に発達していないか、正常に機能獲得ができておらず、明らかな摂食機能障害の原因疾患がなく、口腔機能の定型発達において個人因子あるいは環境因子に専門的関与が必要な状態、と定義されている。しかし、高齢者の口腔機能低下症と異なり、具体的な数値の目安や発症する要因は、明らかではなく、今回幼児から学齢期まで追跡調査することで解明することを目的に計画した。 3年目の今年度は昨年度までに得られたデータから、咬筋筋活動についての分析および初回調査から約1年後の口腔機能の発達状況に関する調査を実施した。42名の咬筋筋活動の分析結果より、口腔機能発達不全症に該当する16名では、咬筋筋活動量が少なく、咀嚼時間や咀嚼の間隔が長い傾向が示唆された。さらに筋電図分析を進め、口腔機能発達不全症児の咀嚼筋活動の特徴を明らかにしていきたい。1年後の追跡調査の結果、永久歯の交換期に入ると、咬筋筋活動のみならず、咬合圧の低下がみられていた。初回調査時に口唇閉鎖力や舌圧が低いものは、1年後においてもあまり変化がみられなかった。調査協力可能者が7名であり、可能であれば対象者数を増やしたいが、COVID-19収束が期待できないことから、現在の被験者を継続的に追跡調査を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19収束がみえず、新たな被験者のリクルートが困難であった。また、学齢期の追加調査の対象児も仮同意を得ていたのは10名だったが、追加調査は7名しか実施できなかった。幼児・小学生でCOVID-19の感染拡大もあり、新たなフィールドで調査協力を依頼することは難しいと考えられることから、現在調査協力を得ている被験者において、再度1年後調査を実施する方向である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、新たなフィールドにて調査協力を得ることは、時勢的に困難であることから、今ある筋電データについては、より詳細な解析が行えるよう、今年度予算にて解析ソフトのバージョンアップを図った。周波数解析等行う予定である。また、少ない人数ではあるが、引き続き学齢期児童を対象とした前向き調査を実施し、口腔機能の発達変化について明らかにしていきたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、追加調査の規模が縮小となったこと。学会も多くがWEB開催となり、海外渡航のみならず国内旅費も執行できなかったため。 使用計画としては、COVID-19が収束方向であれば、次年度実施予定の追加調査とは別に学齢期の対象者を募り、基礎データの追加を行いたいと考える。また消耗品類の使用期限が近付いていることから、実施時期に応じて、消耗品の更新に充当したい。
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