2023 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎発症カニクイザルを用いた病原細菌の特定と細菌伝播経路の解明
Project/Area Number |
19K10455
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
平嶺 浩子 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (30386841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 信城 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20247315)
渡辺 清子 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (70148021)
児玉 利朗 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任教授 (20170269)
小牧 基浩 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (30401368)
山海 直 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, 再雇用職員 (80300937)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯周炎 / P. macacae / カニクイザル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、歯周炎罹患カニクイザルの歯垢サンプルからの歯周炎の病原細菌の特定および分離菌株の病原因子、伝播経路を解明することを目的としている。 当該年度(2023年)は、①飼育環境と遺伝的背景が明らかな霊長類センターのサル(5-31.5歳)に対して2年毎に行われる健康診断に合わせて口腔内検査(口腔内写真, PlI, GI, PI, 歯周ポケット深さ, 診査時出血の有無)を行い、歯周炎罹患率および口腔内から歯垢を採取し、DNAを抽出し菌種特異的PCRプライマーを用いて菌種の存在と鑑別を行った。黒色色素産生嫌気性桿菌 (以下BPAR)分離菌株の性状検査を行い、菌種の同定を行った。②カニクイザルの歯周ポケットから分離されると報告されているPorphyromonas macacae (P. macacae)感染によりラット実験的歯周炎モデルを用いて、歯槽骨吸収について、マイクロCTを用いて評価を行った。また、ラット歯槽骨病理組織標本を作製し、破骨細胞誘導について比較検討を行った。 その結果、①歯垢細菌からDNA抽出を行い、16S ribosomal DNA (rDNA)をターゲットとし設計したprimerを使用し、PCR法を用いた結果P. macacaeは、全体の57%検出された。口腔内細菌の分離・同定は、BHI血液寒天培地とPorphyromonas 選択培地であるKVLB培地を用いて総菌数とBPARの比率を算出した。歯垢の総菌数は、3群ともに同程度であった。BPARはYoung群とOld群では5倍、Old群に多く検出された。BPAR分離菌株は、Young群に比べMidle群では3倍検出され、Old群では5倍多く検出されたことにより年齢とともにBPAR分離菌株検出率も増加することが分かった。②実験的歯周炎では、P. macacae感染群は、非感染群と比較し明らかな歯槽骨吸収が認められた。また、P. macacae感染群は、ヒト慢性歯周炎の原因細菌であるP. gingivalis 感染群とP. salivosa 感染群と同程度の歯槽骨吸収が認められた。
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