2019 Fiscal Year Annual Research Report
新規作用機序-揮発性硫化物産生酵素阻害-に基づく口臭予防薬の開発
Project/Area Number |
19K10469
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
毛塚 雄一郎 岩手医科大学, 薬学部, 助教 (50397163)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 硫化水素 / メチルメルカプタン / 口臭 / 酵素 / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、歯周病菌が産生し、口臭の原因物質となる揮発性硫化物(硫化水素とメチルメルカプタン)に着眼し、それらを産生する酵素に対する阻害剤を開発する。それによって歯周病菌の揮発性硫化物産生抑制や口臭予防を実現しようとするものである。 歯周病菌のメチルメルカプタン産生には、メチオニンγ-リアーゼ(MGL, Methionine γ-lyase)が寄与する。これまでFusobacterium nucleatum MGL(FnMGL)に対して阻害剤を探索しており、今年度は2種類の歯周病菌(Porphyromonas gingivalisおよびTreponema denticola)由来MGLに対し、その阻害剤(化合物A)および類似体6種類に対してアッセイを行った。その結果、化合物Aは3種類すべての歯周病菌MGLに対して、設定した条件下で63%-91%の阻害率を示した。化合物Aは類似体の中でも最も有効な阻害剤であることが示された。また、類似体のうち2種類は、3種類の歯周病菌MGLに対して、30%-55%の阻害率を示した。これは既知阻害剤であるMyrsinoic acid Bの阻害率よりも高かった。化合物Aは、F. nucleatumの細胞懸濁液に対してメチルメルカプタン産生抑制効果があることをガスクロマトグラフィーにより確認した。 F. nucleatumの主要な硫化水素産生酵素であると考えられるランチオニンシンターゼ(LS, Lanthionine synthase)に対する阻害剤XおよびYの50%阻害濃度を決定した。さらに、LSとアミノ酸配列の相同性が33%であるセリンシンターゼ(硫化水素産生酵素)に対する阻害活性を測定した。LSに対する阻害率は90%以上であるのに対し、セリンシンターゼに対しては40%以下であり、阻害剤XおよびYはLSへの選択性があることが示唆された。
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Research Products
(2 results)