2019 Fiscal Year Research-status Report
次世代シークエンサーを用いた戦略的インプラント周囲炎細菌叢遷移
Project/Area Number |
19K10475
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
草野 薫 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (80382498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 陽一 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (20345903)
馬場 俊輔 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40275227)
南部 隆之 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80367903)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 細菌叢 / インプラント周囲炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント治療の普及と超高齢社会の到来に伴い,埋入後のメンテナンス不良によってインプラント周囲炎に悩む患者が急増している.これまでインプラント周囲炎に対する様々な治療法が提案されてきたが,標準基準と呼べる治療法は未だ確立されていないばかりか,同じ治療法でも患者ごとにその効果が異なっているのが現状である.本研究は,インプラント周囲炎病巣から採取したサンプルの細菌叢を次世代シークエンサーによって解析し,臨床症状の変化と結びつけることにより,インプラント周囲炎難治化や予後を初期細菌叢から探るものである.初年度は,細菌叢解析の実験系を構築し,実際にインプラント周囲炎患者よりサンプリングとその細菌叢解析を開始した. (1)細菌叢をモニターする実験系の構築 MiSeqを用いた次世代シークエンシングの系は既に構築済みだが,解析解像度を向上させるために,従来のOperational Taxonomic Unitsを基準とした情報解析からSequence Variantsをもとにした解析へとパイプラインの再構築を行った.これにより,高精度にインプラント周囲炎細菌叢のインシリコ解析ができる環境が整った. (2)インプラント周囲炎患者からのサンプリングと細菌叢解析 大阪歯科大学医の倫理委員会の承認のもと,インフォームドコンセントを得たインプラント周囲炎患者4名からペーパーポイントにより歯肉縁下プラークを採取した.DNA抽出の後,16S rRNA配列をもとに次世代シークエンサーMiSeq(イルミナ社)を用いてサンプル中の細菌DNA配列を解読した.我々が構築したRスクリプトをベースにしたパイプラインによりSequence Variants解析を進めているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
多少の実験の前後はあるが,おおむね当初の計画通りに実験が進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に得られた結果をもとに,次の研究を進める. 1.インプラント周囲炎患者からのサンプルの採取と細菌叢解析(15名の被検者選定を目指す) 2.サンプル採取した患者の症状の追跡(炎症の具合をモニターし,必要に応じて追加サンプリングを行う)
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Causes of Carryover |
次世代シークエンサーMiSeqの使用開始が遅れ,支払いが2020年度となった.研究自体は順調に進んでいる. (計画) 次世代シークエンサーMiSeqの使用による支出に使用する予定である.
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