2019 Fiscal Year Research-status Report
An informatics approach to clarify the multiple influence of oral status, microbiota and nutrition on systemic conditions
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19K10476
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
小島 美樹 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20263303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保庭 雅恵 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (00303983)
藤田 修三 梅花女子大学, 食文化学部, 教授 (20173429)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔疾患 / メタボリックシンドローム / 複合影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、事業所健診情報データベースを用いて、う蝕、歯周病、歯の喪失の複合状態がメタボのリスクに与える影響を調べた。 歯科健診情報の欠損がない42歳の1,853人を対象とした。歯科疾患については、う蝕ありは未処置歯を1本以上有する、歯周病ありは4 mm以上の歯周ポケットを有する、未補綴ありは未補綴の喪失歯を1本以上有するとした。医科健診情報は、生活習慣の問診項目(朝食頻度、喫煙、飲酒、運動)、血圧値、BMI、血清中の糖・脂質マーカーの値を用いた。メタボのリスクについては、肥満、脂質異常症、高血圧症、高血糖症とした。歯科疾患の数(0~3)および歯科疾患の組合せ(全てなし、う蝕のみ、歯周病のみ、未補綴のみ、う蝕+歯周病、う蝕+未補綴、歯周病+未補綴、全てあり)で、メタボのリスクを有する者の割合をそれぞれ比較した。さらに、メタボのリスクに対するオッズ比と95%信頼区間を、ロジスティック回帰モデルを用いて性と生活習慣で調整して算出した。 【結果】すべてのメタボのリスクにおいて、リスクを有する者の割合は、歯科疾患の数により有意な差が認められ(p<0.05)、歯科疾患の数の増加にともない高くなる傾向がみられた。また、メタボのリスクを有する者の割合は、歯科疾患が1つの場合と比較して、肥満、高血圧症、高血糖症においては歯周病+未補綴群で高く(48.4%、54.8%、9.7%)、脂質異常においてはう蝕+未補綴群で高かった(32.1%)。メタボのリスク要因に対する調整オッズ比は、肥満と高血糖症において、歯科疾患の数の増加にともない有意に高くなる傾向がみられ(p< 0.05)、肥満では1.3[1.1-1.6]、高血糖症:1.6[1.1-2.3])であった。 以上の結果から、未処置う蝕、歯周病、歯の喪失の未補綴の複合により、メタボのリスクがより高まることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、口腔データ、栄養データ、細菌データおよび全身データが必要である。 現在までに、事業所の医科・歯科健診情報のリンケージが終了しており、口腔データと全身データの収集については、おおむね計画通りに進行している。一方、サンプリング対象者の確保が遅れているため、栄養データ、細菌データの収集が進んでいない。健診の流れを損なわないようなデータ収集方法(調査票や採取キットの事前配布、郵送による回収)と、検体試料の保管と運搬方法(研究機関外での採取となるため)についても検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)栄養データと細菌データの収集が当初の計画よりも遅れていることから、サンプリング対象者を早急に確保し、データの採取を開始する。 2)これまでの分析により、う蝕、歯周病、未補綴の複合状態とメタボリックシンドローム要因との関連が示唆されていることから、因果関係についてさらに追求する。 3)歯科と医科の健診情報のリンケージは終了していることから、肥満・メタボリックシンドロームなどの代謝性疾患以外の全身疾患についても、口腔疾患の複合状態の影響について解析を進める。
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Causes of Carryover |
(理由)栄養データおよび細菌データの採取の開始が遅れており、唾液試料の定量・細菌検出、と食物摂取頻度調査が実施できておらず、次年度に使用する予定の研究費が生じた。 (使用計画)唾液を試料として、歯周病菌、う蝕菌、硝酸還元菌について polymerase chain reaction (PCR)法による定量・検出を行う。食物摂取頻度調査(FFQ)により、1日あたりの平均的な食品と栄養素摂取量のデータを収集する。
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[Journal Article] Smoking and periodontal microorganisms2019
Author(s)
Hanioka,T, Morita M, Yamamoto T, Inagaki K, Wang P Ito H, Morozumi M, Takeshita T, Suzuki N, Shigeishi H, Sugiyama M, Ohta K, Nagao T, Hanada N, Ojima M, Ogawa H
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Journal Title
Jpn Dent Sci Rev
Volume: 55
Pages: 88-94
DOI
Peer Reviewed
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