2020 Fiscal Year Research-status Report
An informatics approach to clarify the multiple influence of oral status, microbiota and nutrition on systemic conditions
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19K10476
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
小島 美樹 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20263303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保庭 雅恵 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (00303983)
藤田 修三 梅花女子大学, 食文化学部, 教授 (20173429)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | う蝕 / 飲酒 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、事業所健診情報データベースを用いて、栄養・食生活に関わる飲酒と肥満について、う蝕との関連を調べた。 1)壮年期における飲酒量とう蝕との関連 飲酒量とう蝕有病との間に有意な関連性が認められ(p<0.001),飲酒量の増加にともないう蝕有病者の割合も増加した.歯口清掃回数別に,飲酒量と喫煙状況の組合せ4群でう蝕有病者の割合を比較したところ、歯口清掃回数が2回以下の者では,飲酒量と喫煙状況の組合せとう蝕有病との間に有意な関連性が認められた(p<0.001).さらに,ロジスティック回帰分析の結果では、非飲酒群を対照としたう蝕有病に対する性・年齢調整オッズ比(95%信頼区間)は,飲酒+喫煙歴なし群で0.99(0.81-1.20),中・少量飲酒+現在喫煙群で1.26(1.00-1.59),多量飲酒+現在喫煙群で1.76(1.31-2.47)を示した.者では.喫煙が加わることにより、飲酒とう蝕との関連が明確になることが示唆された. 2)成人女性におけるう蝕と肥満との関連 う蝕の有無で肥満者の割合を比較した結果,う蝕ありはう蝕なしと比較して,体脂肪率とBMIのいずれの指標においても肥満者の割合は高かったが,有意差は認められなかった.生活習慣の項目別に分析したところ,甘味摂取頻度が低い者と睡眠時間6時間以上の者において,う蝕ありはう蝕なしと比較して,両指標における肥満者の割合が有意に高かった(p<0.05).次に,肥満者をBMIが25.0kg/m2以上あるいはBMIが23.0~25.0kg/m2未満で体脂肪率が30%以上と定義して,生活習慣要因(睡眠時間,喫煙,間食,甘味摂取,歯磨き時間)を調整変数として含むロジスティック回帰モデルを構築した.その結果,う蝕の肥満に対する調整オッズ比(95%信頼区間)は1.55(1.04-2.31)であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、口腔データ、栄養データ、細菌データおよび全身データが必要である。 現在までに、事業所の医科・歯科健診情報のリンケージが終了しており、口腔データと全身データの収集については、おおむね計画通りに進行している。一方、 新型コロナウイルス感染症の流行の拡大が継続しており、健診の実施や唾液採取等が困難である。そのため、サンプリング対象者の確保が遅れており、栄養データ、細菌データの収集が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
1)健診における栄養データと細菌データの収集が、当初の計画よりも遅れていることから、新型コロナウイルス感染症の流行状況を考慮しながら、サンプリング対象者の確保に努める。2)健診による新たなデータの採取が困難な状況が続くことも想定されるため、研究計画を一部変更して、既存のデータと組み合わせた分析についても検討する。 3)予備分析において、口腔の自覚症状とメタボリックシンドロームとの関連が示唆されたことから、この関連性についてさらに分析を進める。本分析を担当する研究協力者として、梅花女子大学看護保健学研究科口腔保健学専攻の清水都を研究組織に追加する。 4)歯科と医科の健診情報のリンケージは終了していることから、う蝕、歯周病、未補綴の複合状態とメタボリックシンドローム要因との関連について、縦断分析(後ろ向きコホート研究)や時系列分析など、時間的変化を考慮した分析を実施して因果関係を追求する。
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Causes of Carryover |
(理由)栄養データおよび細菌データの採取の開始が遅れており、唾液試料の定量・細菌検出と食物摂取頻度調査が実施できておらず、次年度に使用する予定の研究費が生じた。 (使用計画)唾液を試料として、歯周病菌、う蝕菌、硝酸還元菌について polymerase chain reaction (PCR)法による定量・検出を行う。食物摂取頻度調査 (FFQ)により、1日あたりの平均的な食品と栄養素摂取量のデータを収集する。研究計画の一部変更にともない、既存のデータと組み合わせた分析に必要な統計パッケージを購入する。
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