2021 Fiscal Year Research-status Report
An informatics approach to clarify the multiple influence of oral status, microbiota and nutrition on systemic conditions
Project/Area Number |
19K10476
|
Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
小島 美樹 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20263303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保庭 雅恵 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (00303983)
藤田 修三 梅花女子大学, 食文化学部, 教授 (20173429)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 口腔の自覚症状 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、事業所健診情報データベースを用いて、口腔の自覚症状とメタボリックシンドローム(以下、MS)との関係について検討した。研究デザインは後ろ向きコホート研究とした。42歳で2002~2008年の間に歯科・医科健診を受診し、かつ4年後も同様に受診した3,823人の男性を対象とした。MSのリスク要因は、肥満:BMI25kg/㎡以上、脂質異常症:中性脂肪値 150mg/dL以上またはHDLコレステロール値40mg/dL未満、高血圧症:収縮期血圧 130 mmHg または拡張期血圧85mmHg以上、高血糖症:空腹時血糖値110mg/dL以上とした。42歳時に各リスク要因がない者に絞り、46歳時の各リスク要因の有無を従属変数とし、42歳時の各口腔の自覚症状、生活習慣(喫煙・飲酒・運動・歯磨習慣、朝食および間食頻度)を独立変数として投入し、ロジスティック回帰分析にて調整オッズ比(調整OR)および95%信頼区間(95%CI)を算出した。42歳時に1つ以上の何らかの口腔の自覚症状を有する者は3,738人であった。高血圧症と有意に関連があった項目は、42歳時の「虫歯がある」、「歯ぐきから出血する」であり、調整ORはそれぞれ1.30(1.03-1.65)、1.60(1.22-2.10)であった。また、「かみにくい」の調整ORは1.69(0.88-3.24)であり、高血圧症と関連がある傾向はみられたが、有意ではなかった。脂質異常症と関連があった項目は「歯ぐきが腫れて痛むことがある」であり、調整ORは1.60(1.03-2.49)であった。高血糖症と有意に関連があった項目は「歯ぐきから出血する」、「歯ぐきが腫れて痛むことがある」であり、調整ORはそれぞれ1.71(1.02-2.85)、2.63(1.41-4.92)であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、口腔データ、栄養データ、細菌データおよび全身データが必要である。 現在までに、事業所の医科・歯科健診情報のリンケージが終了しており、口腔データと全身データの収集については、おおむね計画通りに進行している。一方、昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行の拡大が継続しており、健診の実施や唾液採取等が困難である。そのため、サンプリング対象者の確保が遅れており、栄養データ、細菌データの収集が進んでいない。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、下記1~3)を実施する。 1)健診における栄養データと細菌データの収集が、当初の計画よりも遅れていることから、新型コロナウイルス感染症の流行状況を考慮しながら、引き続きサンプリング対象者の確保に努める。2)健診による新たなデータの採取が困難な状況が今後も続く場合は、研究計画を一部変更して、既存の他のデータベースと組み合わせた分析を検討する。 3)歯科と医科の健診情報のリンケージは終了していることから、う蝕、歯周病、未補綴の複合状態とメタボリックシンドローム要因との関連について、時系列分析など、時間的変化を考慮した分析を実施して因果関係を追求する。
|
Causes of Carryover |
栄養データおよび細菌データの採取の開始が遅れており、唾液試料の定量・細菌検出と食物摂取頻度調査が実施できておらず、次年度に使用する予定の研究費が生じた。 (使用計画)唾液を試料として、歯周病菌、う蝕菌、硝酸還元菌について polymerase chain reaction (PCR)法による定量・検出を行う。食物摂取頻度調査 (FFQ)により、1日あたりの平均的な食品と栄養素摂取量のデータを収集する。研究計画の一部変更にともない、既存のデータと組み合わせた分析に必要な統計パッケージを購入する。
|