2023 Fiscal Year Research-status Report
An informatics approach to clarify the multiple influence of oral status, microbiota and nutrition on systemic conditions
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19K10476
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
小島 美樹 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20263303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保庭 雅恵 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (00303983)
藤田 修三 梅花女子大学, 食文化学部, 教授 (20173429) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 咀嚼 / 平均寿命 / 地域相関分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、NDBオープンデータを活用して、口腔機能の複合状態である咀嚼と平均寿命との関係について地域相関分析を行った。厚生労働省の第8回NDBオープンデータのうち、特定健診質問票および検査項目(2020年実施分)の都道府県別性年齢階級別分布を用いて、咀嚼困難、服薬あり、生活習慣の状況、肥満(BMI≧25)の該当者割合を算出し、2020年10月1日現在の日本人人口を基準人口として、直接法により年齢調整を行った。咀嚼困難者は、食事をかんで食べる時に「かみにくいことがある」あるいは「ほとんどかめない」と回答した者とした。平均寿命は厚生労働省の2020年都道府県別生命表のデータ用いた。咀嚼困難者の割合と平均寿命および各項目の該当者割合との関連性を、ピアソンの相関係数(r)により分析した。さらに平均寿命を目的変数、平均寿命と有意な相関があった項目を説明変数として、ステップワイズ法による重回帰分析を行った。咀嚼困難者の割合と平均寿命との間には、男女とも有意な負の相関がみられた(男:r=-0.50, p<0.001; 女:r=-0.44,p<0.01)。また、咀嚼困難者の割合と血圧薬服用、血糖薬服用、現在喫煙、肥満の該当者割合との間に、男女とも有意な正の相関がみられた(p<0.05)。重回帰分析の結果、平均寿命と関連する説明変数として選択された項目とその標準化係数(β)は、男性では、咀嚼困難(β=-0.24)、血圧薬服用(β=-0.35)、飲酒日2合以上(β=-0.43)、女性では現在喫煙(β=-0.32)、早食い(β=0.35)、肥満(β=-0.39)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行の拡大の影響で、健診の実施や唾液採取等が困難であったため、栄養データ、細菌データのサンプル収集が進んでいない。一方、事業所の医科・歯科健診情報のリンケージが終了しており、 口腔データと全身データの分析については、新たな分析方法を実施するために統計パッケージの追加購入を行い、おおむね計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
健診における栄養データと細菌データの確保が難しいことから、研究計画を一部変更する。歯科と医科の健診情報のリンケージは終了していることから、口腔データと全身データの分析を主として、う蝕、歯周病、未補綴の複合状態とメタボリックシンドロー ム要因との関連について、共分散構造分析や時系列分析などの分析を実施して因果関係を追求する。また、厚生労働省のNDBオープンデータなどを活用して、個人のみならず地域における口腔と全身との関連についての分析を進める。
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Causes of Carryover |
理由:健診における栄養データと細菌データの確保が難しいことから、研究計画を一部変更し、口腔データと全身データの分析を主とした分析と、NDBオープンデータを用いた地域における口腔と全身との関連についての分析を現在進行中であるため、次年度に使用する予定の研究費が生じた。 使用計画:分析結果について、国内学会で成果発表を行う。
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